http://park8.wakwak.com/~jyokai/ |
日本酒造組合中央会は、6月8日の通常総会に先立ち、午前に今年度第1回目の全国評議員会を開き、通常総会に提出する平成16年度事業報告と決算報告を承認後、研究課題・日本酒産業振興対策をテーマにの討議を行った。
(1)石川県の山田英樹氏が、租税特別措置法87条による中小酒造業者に対する酒税減税措置の延長を要望し、「租税特別措置法87条による減税措置は、減税措置は平成19年度で終了することとされており、さらなる延長は困難とされている。しかし、清酒消費数量の減少には歯止めがかからず、底が見えない状況にある。このような状況下で減税措置が終了した場合、減税措置のある現在でやっと持ちこたえている小規模な業者に与える影響は、極めて大きいと推察される。前回の税制改正時には、さらなる延長は困難とされていたが、業界を取り巻く環境が好転しない以上、日本酒造組合中央会としてはさらなる延長を要望すべきではないか」と提案した。
これに対し、辰馬会長は「租特措置は、これで最後といわれながら、延長されてきたが、清酒業界の厳しい状況では延長の思いを感じている、と思う。軽減税率を減らしながらでも軽減措置を続けるのか、他の対策で対応するのか問題もある」と語った。
浅見副会長は「酒造業界の厳しい状況次第では、延長を考えなければならない。本日の総会で宣言をする予定だが、現在の清酒の酒税はつらい扱いを受けているので、減税を強く要望していくので、これができれば清酒自体に大きな力となる。清酒の減税が実現すれば、理論的に租特措置の延長は難しいのではないか。とにかく清酒の減税を強力に訴求したい」と述べた。
(2)島根県の田村明男氏は、「全国新酒鑑評会の一般公開の参加者も年々少なくなり、マスコミ対応、取り上げ方も寂しい現状だ。一般公開は、集客力のある中央で開催が大事だ。やはり東京で開催が望ましい。一般の人が来やすいところで開催されたい」と要望した。
これに対し辰馬会長は「酒類総合研究所にこの要望を伝えていく。需要開発のイベントに組み込むことも必要だ。『鑑評会日本一』といったイベントがあったら楽しいし、市販酒のコンクールなども面白いと思う」と語り、福光需要開発委員長は「田村評議員の提案は貴重だ。もっと積極的に酒類総合研究所に働きかけて共催するよう検討したい」と説明し、清酒技術委員会からも「技術振興と需要開発の面から検討する」とした。
(3)長野県の武重有正氏は、酒蔵を国の登録有形文化財制度で活用を要望し、「現在、酒造業者の建造物約300点が国の『登録有形文化財』として文化財台帳に登録されている(約6%)。この制度を活用してもっと多くの酒蔵などを登録有形文化財にすることができれば、登録件数という数値の形で、清酒製造業者が日本文化の担い手であることを示すことができる。そこで、まず登録有形文化財に関する現状を調査し、酒造業者に情報を提供し、登録に至るまでの情報交換ができるような仕組みを作ることで、酒蔵などが登録文化財になる動きが加速できるのではないか。この点を、中央会が積極的に参加することは大いに意義のあることであり、またそれを希望する」と提案した。
これに対し辰馬会長は、「格調の高い提言だ。おいしい酒を造ることも大事だが、景観の維持、町づくりも大切だ。蔵元のある地域づくりに努力することも必要だ。ヨーロッパ型の経済に移行が必要なとき、日本文化の再生、日本酒で乾杯運動との関連で考えることも大事だ」と述べた。