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濵田酒造(鹿児島) 初の坑道内仕込み、「薩摩金山蔵」(串木野市)が竣工

 【鹿児島】本格焼酎「海童」「隠し蔵」などの醸造元、濵田酒造(濵田雄一郎社長)が建設中の「薩摩金山蔵(さつまきんざんぐら)」(薩摩金山蔵(株)、串木野市下名13665)が竣工し、4月23日のオープンに先立つ同月19日、関係者に公開した。薩摩金山に触れるテーマパーク、串木野ゴールドパークの跡地を再開発したもので、「世界初の坑道内焼酎仕込み」(同社)を実現するとともに、6万5000平方mの敷地内には地下鉱泉水を活用した温浴施設も備え、癒し空間を創り出した。投資総事業費は約6億円。年間10万人以上の来場を見込んでいる。 

 当日の会見で、濵田社長は「薩摩金山蔵」が同社にとって、強力な文化情報発信拠点になるとの見解を示した。稼働中の「傳藏院蔵(壱の蔵、弐の蔵)」(串木野市西薩町)、「焼酎蔵薩洲濵田屋伝兵衛」(市来町湊町)に続く第3の醸造場になるばかりでなく、「本格焼酎500年の歴史、薩摩を語る場(としての意義が大きい)」と強調した。

 同蔵では坑道で実際に、明治期に主流だったどんぶり仕込み(麹、蒸した原料、水を一緒に容器に入れ、その一度で仕込みを終える製法)を再現。甕仕込み、直火釜蒸留で年間100石程度の焼酎を生産する予定だ。金山坑内は貯蔵スペースとしても活用し、そうした焼酎生産や貯蔵の様子を、来場者はトロッコで坑内に入り見学することができる。濵田社長は、「薩摩金山は、薩摩藩を財政的に支え、明治維新を成し遂げるエネルギーともなった。350年の歴史を刻む、その場に、デコレーションではなく実質・実体を伴った現場が初めて登場したわけで、本格焼酎(の伝統や歴史)をオーバーラップさせ語ることができる場となる」とし、「本格焼酎を真の国酒、日本文化の粋として世界へ発信することに挑戦していきたい」と訴えた。

 館内には温浴施設や食事処のほか、薩摩伝統の工芸品や加工品を扱う販売場も充実させた。購入後の商品(720MLびん詰品「熟成と共に福来たり」)を預かり坑内で貯蔵するサービスも展開する。

  また当日は今年3月末に竣工し稼働中の「傳藏院蔵・弐の蔵」の見学会も催した。濵田社長は、「普及性と文化性を両立追求する」とのスタンスを示し、「壱の蔵」を合わせた同蔵の完全本稼働により、19万石の供給体制が整ったことを明らかにした。

 さらに会見席上、同社グループの中核企業、若松酒造(市来町)の社長にオエノングループ、福徳長酒類の前社長・北沢征夫(きたざわ・ゆきお)氏を迎えるトップ人事を発表した。就任予定は今年5月1日。北沢氏は「東京から全国へ拡大発展させていきたい」との抱負を述べた。

(掲載日:2005年04月27日)


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