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本格焼酎 価値維持へ正念場、問われる真価、市場食い合い懸念も

 一昨年、焼酎が清酒を逆転し、昨年は焼酎甲乙間で逆転劇が起きた。酒類出荷の状況が市場の激変を物語る。特に、関東市場を取りながら急伸した乙類・本格焼酎のブームには目を見張るものがある。健康志向が火付けとなり、芋焼酎がけん引する形で市場を獲得。平成16年には年初から出荷調整が本格化し、品不足が需要をあおった。

 しかし真価が問われるのはこれからで、逆風も予想される。増産のための投資が足かせとなって供給過多に陥らないか、租税特別措置法(期限19年度)の打ち切りが痛手にならないか。粕処理対応も負荷となろう。真の魅力を伝え、ファンのすそ野を広げるという時間のかかる課題に対しては、生販の強い連携が一層望まれる。

  「一時期ほどの勢いはない」--。昨年12月から出荷が鈍化。今年1月に入るとその傾向が顕著になった、と本格焼酎メーカーの多くが口を揃える。

 平成16年度(1-12月)の焼酎課税出荷量(国税庁調べ、国産・輸入合計)は焼酎乙類が52万6568KL(前年比17・2%増)で、甲類(52万522KL、3・8%増)を逆転した。日本酒造組合中央会調べ、同年度全国の焼酎乙類課税移出数量では、過去最高を更新する50万2125KLで、前年度の43万1954KLに比べ16・2%増加。全国的に本格焼酎を生産・出荷する業者が増えている傾向も見える。

 主産地の九州7県と沖縄県(泡盛)の出荷(前年比)は、▽福岡=4万3424KL(31・9%増)▽佐賀=3156KL(33・5%増)▽長崎=4126KL(16・9%増)▽熊本=3万4234KL(5・7%増)▽大分=13万2556KL(6・1%増)▽鹿児島=13万525KL(25・3%増)▽宮崎=9万80KL(12・9%増)▽沖縄=3万2019KL(12・2%増)--の状況。

 主な原料別出荷状況(前年比)は、▽さつまいも=11万8866KL(30%増)▽米=7万3791KL(9%増)▽麦=25万6654KL(11・3%増)▽そば=2万7323KL(16・7%増)▽酒粕=1295KL(11・5%増)▽その他(黒糖など)=2万4196KL(37%増)--と、すべての主要原料焼酎が前年を上回っている。

 直近単月ベースでの全国焼酎乙類課税移出数量は、平成16年12月が6万3452KL(概数)で、前年の国税庁確数5万9357KLに比べ6・9%増(前年の日本酒造組合中央会概数5万7650KLに対しては10・1%増)、17年1月は3万361KLで、前年の国税庁確数2万9706KLに比べると2・2%増(同2万8921KLに対しては5%増)にとどまった。本格焼酎全体としては、昨年11月までは2ケタ伸長を維持してきただけに鈍化傾向は否めない。

 ただ、原料別動向には、今年1月の集計値からも、次の通りバラツキが見られる。▽さつまいも=26・4%増▽米=5%増▽麦=2・9%減▽そば=20・1%増▽酒粕=14・4%減▽その他=16・2%増--。

 東京大阪市場での本格焼酎の動向を卸販売数量で見ると、平成16年通年で、▽東京=4万7130KL(前年比16・7%増)▽大阪=4万4883KL(18・4%増)、平成17年1月では、▽東京=3620KL(前年同月比11・8%増)▽大阪=3542KL(同5・1%増)--の推移で、市場の変化を反映している。

 一方、平成16年度の国産焼酎甲類出荷数量は、業界推測で43万3764KL(前年比3・4%増)。14年度約40万7000KL、15年度約42万KLで、逐年堅調に推移。東京、大阪の卸販売推移は16年通年で▽東京=2・4%増▽大阪=19・4%増、17年1月単月では、▽東京=2%減▽大阪=13・1%増--の状況で、大阪ではともに乙類を上回る伸長値を示している。

 本格焼酎においては空前の需要増、その後の出荷調整の時期を経て、今期は安定供給の時期、さらに供給過多が懸念される局面に入ったように見える。酒類総需要の伸びが期待できないばかりか、追い風となった新規小売免許場の増加(平成15免許年度新規免許付与件数2万3604件、16免許年度抽選対象申請件数5259件)も見込めない状況で、その販売数量ではなく価値を、いかに維持していくのかが課題となる。真価を問われる正念場を迎え、製造・販売施策の両面でさまざまな決断を迫られることになろう。

(掲載日:2005年03月25日)


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