
2.「母から聞いた料理の言葉」
台所で料理をする母や祖母の回りにまとわりついてはつまみ喰いをしていた幼少時のドロシーは、料理や食にまつわるいろいろな言葉をついでに聞かされていました。子供の頃の柔軟な脳に入った言葉というのは忘れないものらしく、最近になっても折に触れてフッと頭に浮かんできたり(だいぶ脳細胞が死滅していますが・・・)して、なるほどねぇ、と思ったりすることもあります。
今回は、そんな母や祖母から聞いた言葉のいくつかをご紹介したいと思います。
★魚は殿様に、餅は乞食に焼かせろ
魚は、「まだかな、まだかな」と思って、何度もひっくり返して焼くと身が崩れてきれいに焼けないので、お腹の空いていないおっとりした殿様に焼かせるとボウボウと煙が上がるまでひっくり返さないのできれいに焼ける。餅は反対に「まだかな、まだかな」と何度もひっくり返しながら焼かないときれいに焼けないので、お腹がペコペコな乞食に焼かせるとうまく焼ける、という意味だそうです。
つまり、魚は煙が上がってから一度だけひっくり返し、餅はこまめにひっくり返すとうまく焼ける、という意味な訳で、これは正しいですね。
★川は皮から、海は身から
川で取れた魚は皮目から焼き、海で取れた魚は反対に身から焼くものだ、という風に教わりました。これは「川は皮から」という語呂が覚えやすいので、かなりしっかり染み付きました。この教えを守って、私はアジの開きを焼く時は開いた身のほうから、とやっているのですが、考えたら川魚ってあんまり切り身にしたり開いたりしないんですよね。これはちょっと怪しいかも・・・。
★困った時の卵とじ
田舎の家では、シーズンになると同じ物がたくさん採れたり、反対に畑に何もない時期でも家の回りにニラや茗荷などが勝手に生えていたり、ということがよくありました。そうすると、「困った時の卵とじ」と言って、ニラの卵とじや茗荷の卵とじが食卓に上ったものです。そうやって育ったせいか、私もよく卵とじを作ります。栄養のバランスもそれなりに取れるし、卵は大抵冷蔵庫に入っているし、野菜じゃなくても麩とかの乾物は常備しているので、薄味の「麩の卵とじ」を作ったり・・・。麩の卵とじは、風邪引きや胃腸の調子が悪い時にもいいですよ。ただし、元気バリバリの時には、味も食感もやさしすぎるので向きませんが。卵とじって、一品あると何だか食卓が豊かに見えるから不思議ですね。
また、フッと思い出した言葉があったら紹介したいと思います。

「困った時の卵とじ」ニラ玉です。ニラを4〜5センチのザク切りにして、
しんなりするまで油を引いた鍋で炒め、,あり合せのキノコ(今回はマイタケ)を入れます。
その中に、砂糖、酒、だし醤油を入れてしばらく煮たら、上からとき卵を回しかけるだけ。
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