雑賀衆の芽衣「土佐・中富川の合戦」をダイジェスト版で公開します。
本作はネーム(絵・コンテ)のみの制作なので、雑な作画となっていますが御了承下さい。

芽衣の合戦 (ネーム50ページ)

 長宗我部の兵は次々と十河軍の銃弾に倒れた。「雑賀の姫様を死なす訳にはいかない」と逃げるように頼む足軽達だが、芽衣は迷わず与作と権蔵に鉄砲と火薬を出すように命じた。
「やりますか。この命、芽衣様に預けましょう。」
芽衣の考える事を解っていたかのように、2人は全く臆する様子はない。
 十河軍の鉄砲隊が乗る小船から屋根に仁王立ちして鉄砲を構える芽衣の姿が見えた。
「鉄砲だと?一人で何が出来るつもりだ。近づいて蜂の巣にしてやれ。」

芽衣は十河存保に捕らえられた時に言い放たれた言葉を思い出していた。
『十河存保…こんな戦い方が、あんたの意地や志の形なのか!ならば私はこの鉄砲で仲間を守ってみせる。』
「これが私の合戦だ!」
芽衣は発砲した。同時に射撃を指揮する足軽大将が絶命して船から転落する。
「あの距離から…まだ1町(120メートル)はあるぞ!」
慌てた十河軍も発砲するが、その横でまた1人が銃弾に倒れた。

「並の腕で当たるものか!」
「次!」
すかさず発砲準備が整った鉄砲が芽衣に渡される。与作と権蔵は鉄砲に火薬と弾丸を込め、芽衣が射撃に専念した。船の指揮官と舵取りを確実に倒す射撃の腕に長宗我部の足軽達は驚くが、雑賀衆の与作と権蔵でさえ同じ思いだった。
たった1人の射手による反撃を十河存保は遠くの船から見ていた。

 

奮闘 (ネーム54ページ)

 「射手は腕が立つようだ。今の内に始末しておけ。」
十河存保は左右から挟撃させるよう指示を出した。堂々として余裕を感じる指揮だが、心の中では先日捕らえた芽衣を殺さなかった事を後悔していた。

敵の小船は芽衣達の両側に3〜4隻ずつ二手に分かれ近づき発砲してきた。その一発が足元に着弾する。
「射程距離に入られる・・これ以上進ませない!」
敵の銃弾は確実に近くを通過するまでになっていた。怯まずに芽衣は包囲を縮める船に向け射撃を続け、後方の一隻に見なれた兜の人物、十河存保を見た。
「少し遠い・・。先に手前の敵を倒さなくては。後ろから見物とは卑劣な奴め。」
「・・!!」その時、芽衣は右脚の佩楯(腿を守る防具)を銃弾に貫かれ、激痛で後ろに体勢を崩した。それを見た仲間の足軽達は楯になるため芽衣の前に駆け寄り肩を撃たれる。

芽衣は倒れながら、とっさに反撃の鉄砲を撃ち、敵に命中させた。
「雑賀の大将、怪我は!?」
「かすっただけよ!そっちは?」
「気にしないでくれ。芽衣様がいなけりゃ、とっくに死んでる身だ。」
傷は致命傷ではないとはいえ戦況は厳しくなってきた。与作も銃弾が残りわずかだと告げる。
「これまでか・・。」
さすがの芽衣も表情を強張らせた。

 


信親の援護
(ネーム56、57ページ)

 芽衣達の前にいた敵は、突然十数発もの銃弾により倒された。その銃声がした後方を振り向くと、先頭に信親を乗せた雑賀衆の船が5〜6隻駆けつけていた。
「信親・・。」
芽衣は信親を見て、自分達が助かった事と戦いの勝利を確信した。一方、十河軍は敵が雑賀衆だと知ると退いていった。

「十河がいるんだ!追って!」
芽衣は信親の船に転がるようにして乗り込んだ。与作と権蔵は逃げた敵の船に追いつけるとも思えず、傷の心配もあり諌めるが聞く様子はない。
「信親・・少しだけでもいいの!遠くても火薬を増やして撃つから。」
真剣な芽衣の気持ちを悟った信親は、敵を追うように指示を出した。


 十河軍の船は水面に浮かんだように見える勝瑞城に逃げて行く。城からの発砲を考えると、もう近づけない距離まで進んだ。
『脚の踏ん張りがきかない・・。』
芽衣は片膝をつき鉄砲を構えているが、撃たれた傷の痛みで脚が震えてしまう。それに気付いた信親は、安定しない芽衣の身体を後ろから支えてやった。
「支えておくから、しっかり狙え」
「うん・・。」
芽衣は横目で信親を見ながら、少し頬を赤くした。

「馬鹿め。雑賀衆だろうと、この距離で命中できるものか。」
余裕の十河存保だったが、その時、芽衣が撃った鉄砲の轟音が響いた。

 

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