錯覚
「錯覚」と言っても、視覚的なものや心理的なものと多くの種類がありますが、それらが物事に及ぼす影響が思いのほか大きいと感じる局面はよくあります。
時に、それらは人の判断を鈍らせたり誤った方向に働くことも少なくありません。ただ一方では、その現象一つ一つをちょっと意識できれば、いろいろなことに活用できるんじゃないかという可能性も感じられます。
僕が携わっているヴァイオリンに関することだけでも様々なものがあり、それは音・演奏に関することから製作・修理の技術的なものまでかなり関係の深いものに感じます。
そこで、今回はそれら「錯覚」の中でも比較的有名なものを取り上げて遊んでみようと思います。
「錯覚」の一つに色の対比によるものがあります。これは、隣り合った色の差が強調されて感じられる現象だそうです。

上の絵は同じ明るさの灰色が、明るい灰色を背景にすると暗く感じられて、暗い灰色を背景にした時には明るく感じられるという現象です。
何だかこういうものを見てると、自分の感覚ってやつが信じられなくなります(笑)。
ちなみに、専門的には、この様な明るさの差が強調されるような色の対比を「明度対比」というらしいです。
色の対比には、「明度対比」の他にも「色相対比」や「彩度対比」と呼ばれる現象があるそうです。これらも、同じはずの色が隣り合う色によって違った印象で知覚されるという現象です。

色の対比は一般的に隣接した色の差を強調するように働くらしいのですが、それとは逆に、隣り合った色同士が近づいて感じられる場合もあります。
このように、一つの色が他の色に囲まれているとき、囲まれた色が周囲の色に似て見える現象を「同化効果」というそうです。
この「同化」という現象も、個人的には興味深く感じるところです。
こうした錯覚現象が、どの様な条件下で起きるのか頭の片隅に置いておくだけでも、自分の見ているものがまた違ったかたちで(ある意味、冷静に)判断できる気がします。