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by バトルチーム一同




「濃いなァ ……」





 日付が変わって2時間。
 数日の不眠不休の作業が、さすがに堪える。
 しかし、コン・バトラーの修理は、まだ終わらない。
 前回の出撃で、かなりの痛手を負った。 豹馬達の被害も並じゃなかったが、入院しているものの命に別状がなかったのが幸いである。
 工場内は、煌々と照明で照らされ、作業が休み無く続いている。
 一応、交代で仮眠や食事を取っているが、疲れはピークに達しようとしていた。
 一端、部下と代わって休憩に入った堀部源造技師長は、休憩室の片隅に置いてあるコーヒーサーバーを手に取った。 紙コップに注いで一口。
 「うっ … 濃いなァ …… 」
 ずっと保温されて置かれていたので、コーヒーが煮詰まっているようだった。
 「胃に悪そうだ」
 普段はブラックで飲んでいるのだが、流石にこのまま飲むのはマズかろうと、ミルクを入れた。 それでなくても、コーヒー消費量が普段より多くなっているのだから、少しは胃を労らないといけない。
 畳敷きの休憩室の片隅に腰を下ろす。
 作業が始まって以来、万年床になっている布団には、部下達が交代で寝ている。 もう、1人1組の布団などと贅沢は言っていられない。 布団の上なら何処でも良いとばかりに折り重なっての雑魚寝である。
 皆ほとんど死んだように眠る。
 流石に、その中に混ざって寝るのは抵抗があるのか、堀部技師長は、こんな状態になった時には壁にもたれて眠る。
 「体に悪いから布団に入って」 と部下達から散々言われるが、寝相の悪い部下もいるので、蹴飛ばされたり殴られたりしそうで嫌なのだ。
 若い内は良いが、流石にこの年になると、殴る蹴るされるのは堪える。 貴重な睡眠時間を殴られて削るのは御免被りたかった。


 しばらく休んで、また現場へ。
 部下達が頑張っているのに、自分ばかりが長くは休んでいられない。
 まず辺りに視線を流してざっとチェックする。 バトルチームの面々が居ないかどうか探すのだ。
 今はそうでもなくなったが、最初の内は、修理状況や不眠不休の作業を続ける堀部技師長達を心配して、バトルチームの面々がちょくちょく見に来ていたのだ。
 そんな彼らに 「休める時に休んでおかないと、次の出撃に影響する!」 と、何度も注意したものだ。
 キャンベル星人が攻めてきた時がバトルチームの戦いの時。 コン・バトラーVが帰還してからが堀部技師長達の戦いの時。
 それぞれ役割、戦い時が違うのだ。



 ようやく、作業が最終段階に入り、今夜は自分の布団で寝られそうである。
 「技師長。 コーヒー、新しく入れ直しましたんですが、いかがです?」
 部下の一人が声をかけてきた。
 「おお、スマンな。 貰おう」
 煮詰まったコーヒーではなく、入れたてならばと、喜んで貰ったコーヒーだが … 。

 「濃いなァ …… 」
 どうやら、煮詰まったコーヒーばかりを飲み続けて、部下達の舌も濃い味に慣れすぎたようだ。
 入れたてで煮詰まってはいないが、味そのものが濃いコーヒーだった。







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