side 堀部技師長
「工場は、ワシ等の戦場だっ!」
ワシはあの時、そう言った。
その言葉にウソはない。 確かに、工場はワシ等にとっては “戦場” なのだ。
何も、敵と戦っている場所だけが “戦場” ではないのだ。
“戦場” とは、色々な場所があるのだ。
バトルチームが出撃し、敵と戦う場所。 勿論そこは “戦場” だ。
四ッ谷博士が、日夜研究し、新武器を開発していた研究室。 あそこも “戦場” だ。
コネクションの食堂。 そこで一手に職員の胃袋を引き受ける調理場。 あそこも “戦場” 。
敵に破壊された街。 そして避難所。 あそこもある意味 “戦場” だ。
そして、ココ。 バトルマシンの修理、整備、改造改良。 ソレを請け負っているこの工場。 ここもまた、 “戦場” なんだ。
皆、不眠不休。
敵に勝つに、コン・バトラーVのパワーアップ計画。
強力になった敵は、いつ来るか解らん。 一刻も早く、作業を完了しなければならないが、そう上手くもいかん。
最初の内はともかく、疲れが出てくると … かといって、適当に出来るモノではない。
何と言っても精密機械。 神経を使うのだ。 だからこそ、疲れもハンパじゃない。
次の敵の来襲までに何とかせねば … 何とか … 。 ソレが出来るか出来ないか。 コレがワシ等の勝負なんだ。
不覚にも倒れてしまった。
檄を飛ばさなければならない立場の、このワシが。
休む? そんなコトしていられる訳無いだろう?! 他のモノが作業を続けておるんだぞ!
工場で死ねるなら、ワシは本望だ!
南原博士から預かったコン・バトラー。
四ッ谷博士が改良をしてくれているコン・バトラー。
バトルチームの命を護り、そして地球を護るコン・バトラー。
こんな所で、放り出す訳にはいかん。 ワシが請け負ったのだ。 このワシが。
豹馬、解ってくれるか?
お前も戦士の端くれだろう?
立場は違えど、ワシも、工場で作業しておる者達も、戦士なんじゃ。
そして、あの工場がワシ等の “戦場” なんだ。
部下達は、まだ勝負を続けている。 ワシだけ戦線離脱なんぞできん!
死んでも良い。 ワシに勝負をさせてくれ。
コン・バトラーVパワーアップ計画 … 【ニューV作戦】 。
ワシは、この作戦に、この工場という “戦場” で勝ってみせる。
* 作者の言い訳 *
コネクションにいる職員、全員が色んな意味での戦士なんですよね。
だから、コネクションは常に “戦場” なんです。
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