side ワルキメデス
『キャンベル星最高の科学者』
そう謳われていた。
自分で言うのも何だが、確かに私の頭脳は最高だ。 この宇宙で一番だと自負している。
私の作るモノは、最高だ。 作戦でもマグマ獣でも。
その筈が、何故だ? 地球をこうも侵略出来ないのは … 。
オレアナとガルーダの後任が、ジャネラ様と我々兄弟に廻ってきた時、正直面倒だと思った。
何でそんな辺境の星に、私がわざわざ出向かねばらなんのだと。
キャンベル星より遅れた星なら、私が出向くまでもない。 ダンゲルだけで十分ではないかと考えていた。
まぁ、しかしそうも行かない。 ジャネラ様からの直々のご指名だ。 それだけ私を買って下さっているのか、慎重になっているのか … 。
どちらでも良い。 サッサと片付ければ、私の優秀さを証明する事にもなるし。
あんな出来損ないのアンドロイドや齢90過ぎのバーサマの記憶を移したコンピュータなどに頼っているからいけなかったのだ。
きっと、何処かバグでもあったんだろうさ。 大分前に送り込んでおいたモノらしいしな。
サッサと片付けようと作戦を立てる。
1度くらいの失敗は、気にしない。 相手のデータ収集になるからな。
しかし、コレが2度3度と続けば流石に焦る、イライラしてくる。 私の作戦は、作り出したマグマ獣は完璧なはずだ!
こうも失敗続きなのは … 私の作戦は、何か間違っていたのか? 隙があったのか? マグマ獣は不完全だったのか?
いや、そんなはずはない。 きっとダンゲルがマグマ獣を使いこなせていないのだ。 作戦をキチンと把握していないかも知れない。
何せ、力ばかりで頭の弱い弟だからな。
何故、私の弟なのに、頭の方がからっきしなのか…?
ああ、私がその分、頭脳へ栄養を貰っていたのか。
今日も経験とアイディアを駆使し、作戦を立てる。
今度こそ完璧な計画だ。
あの体力馬鹿な弟でも大丈夫だろう。
さぁ、今度こそコン・バトラーを倒してこい。
* 作者の言い訳 *
兄弟の連携が上手くないんですよね、この人達。
だから、上手くいかないんじゃない?
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