side 南原博士
聞こえてしまった残りの時間。
私の命のタイムリミット … 。
これから先の事をどうしようかと、ベッドの中で考え始めた。
決して、考えていなかった訳ではない。 異星人との戦闘をするのだ。 それに関わるコネクションの所員は、私を筆頭に危険を伴う。
後任 … 考えて調査し、動向を見てはいたが … こんなに早くバトンを渡してしまう事になるとは … 。
勝手に後任に選出していたが、彼ならやってくれると信じている。 こんな事を信頼し、頼めるのは彼だけだ。
人間の汚さに絶望を感じている彼の事だから、一度は拒否されるだろう。 しかし、人間はもとより、彼が愛して止まないこの地球そのものも危険なのだ。
彼らキャンベル星人が、地球そのものをどのように扱うか … あの戦闘行為を見る限り地球の生物や自然、遺跡などに、さほどの興味は無さそうだ。
となれば、この地球という星さえ有れば良いのかもしれない。 何らかの改造を施すのやも … 。
そんな事は、例え彼でなくとも許せぬ行為だろう。 何としてでも説得せねば … 。
残り少ない私の時間。
耳にした時には目の前が真っ暗になったが、そのおかげで今後の手を打つ事が出来る。 何も知らずにいれば、彼に後任を直接頼む事は出来なかっただろう。
コン・バトラーを、ちずる達を何より、ここ母なる星・地球を … 四ッ谷 … 誰より信頼する君に託す。
* 作者の言い訳 *
南原博士、どんな気持ちだったでしょう?
出来る事なら、最後までコン・バトラーの戦いを地球の行く末を見届けたかったでしょう。
草葉の陰から見守って下さい。
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