side 北 小介
異常気象の空を見上げ、リビングルームから飛び出した大作さんが、どのくらいで帰ってくるだろうと考えてたら、案外すぐにUターンしてきました。
根性のある大作さんでも、雪の中の寒中水泳は、流石に御免でしょうね。
以前の僕なら 『くだらない』 と相手にしなかったでしょう。
『誰が一番我慢強いか』 … たったそれだけの事で、みんなと一緒に寒中水泳だなんて。 こんな異常気象の中に。
風邪を引いて出撃出来なくなったらどうするのか … そう考えなくてはいけないはずなのに、自分の意地の方が優先されてしまいました。 別のことでの意地ならともかく、こんな意地は … ホント、僕はコネクションに来て、みんなと接しているウチに変わりました。
『成長した』 と言われる事がありますが 『むしろ、子供っぽくなっているのでは?』 と最初は考えていました。
まぁ、実際、実年齢と肉体は十分子供なんですけどね。 精神的には大人のつもりでしたから。
僕の態度は、 『生意気だ』 とか 『可愛くない』 とか色々言われました。
自分で言うのも何ですが、僕は他の子とは違う。 十分自分でも承知してます。
まだ10才にも満たない僕が、アメリカの大学なんて言う本来なら関わりはないような所でやっていく為に、周りの大人から必要以上に侮られないように身につけた術だったんです。
でもココに、コネクションに来て、随分肩の力が入っていたことが解りました。
無理していないように思っていましたけど、実は無理をして背伸びしていたんですね。
確かに、精神的に大人びる必要もあるけれど、年相応の自然体も必要なんですね。 特に豹馬さんを見ていると、そんな考えが浮かびます。
僕とは違った意味で他の子とは違う立場で、色々辛い事を経験してきた彼は、表面は子供っぽいのに悟った部分もあって … 特に “命” というものに過敏で。
精神的な “成長” も必要ですが、僕にはソレとは違う “成長” が必要だったんですね。
もっと根本的なモノ “人” としての “成長” が
* 作者の言い訳 *
最初の方は、 【第39話 男だ大作! ど根性戦法】 からのネタです。
小介って、初期から比べると、最終的には大分丸くなりましたよね?
一番の影響は、豹馬達より年の近い一木兄妹なんだろうけど。
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