side 南原 ちずる
豹馬の危機の一報が入った時、耳を疑った。
確認は出来てないけど、マグマ獣に襲われていると豹馬から連絡があった時には、正直言って目の前真っ暗になりそうだった。 恐くて恐くて仕方がなかった。
バトルマシンで対峙しても驚異であるマグマ獣に生身で対峙だなんて … 。 しかも2匹!
豹馬のバイクテクニックは知ってるわ。 でも、相手が1匹ならともかく2匹じゃ … 連携とかされたら … 。
一刻も早く助け出さないと。
震えそうになる手足を叱咤しながらマリンを発進させる。
豹馬、どうか無事で!
近くまで来て、豹馬が追い込まれているのが解ったわ。 いつもよりも飛行速度が、とても遅く感じてしまった。
そんな中、豹馬最大の危機。 断崖に追いつめられてて … 豹馬は対面する断崖に飛び移ろうとしたようだけど、崖から飛び出して無防備になった所を狙われてしまった。
電撃が彼を撃つ。 真っ逆さまに落ちていく。
「豹馬ーっっ!!」
バイクは奈落の底まで落ちて爆発、大破。
辛うじて、崖の途中の棚状の所に豹馬は落ちたので、落下距離が少なく助かった。
ピクリとも動かない、焼け焦げた彼の体。
彼を救出してコネクションで治療した。 命に別状がなかったのは幸いだけど、凄い重傷。 全身の包帯が痛々しいという表現を通り越しているわ。
彼の危機を救う事が出来なかった自分が情けない、悔しい、悲しい … 。
その後届いたジャネラの挑戦。
今度こそ豹馬を危機から救おうと、あたしは決心した。
でも、豹馬を救うはずだったのに、あたしが豹馬に救われてしまった。
情けない … 。
でも … 嬉しかった。 ありがとう、豹馬。
* 作者の言い訳 *
ミーアを思い出しました。 彼女も愛する人の為に、ある意味、身代わりになったようなもの。
ソコに至るまでの状況は違いますけど、愛する人を救いたいという気持ちは同じですね。
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