「どう思う?」
「う〜ん … 微妙?」
一木兄妹がリビングルームの窓から外を見つつ、唸っている。
「どないしたんや?」
そんな一木兄妹にリビングルームに入ってきた十三が声をかけた。
「天気が気になってさ」
「そーそー。 明日バーベキュウの予定でしょ? だから」
「あ、ナルホドなぁ」
明日は、バトルチームの面々と一木兄妹で、バーベキュウをする予定。 バーベキュウともなれば、やはり天気が気になるもの。 いくらコネクションでも、室内でバーベキュウは出来ない。
見上げる空は、曇り空。 天気予報も降水確率が高すぎず低すぎず … 。 キャンベル星人来襲確率は、50% … ってか、ぶっちゃけ、解る訳がない。
来る時は来る、来ない時は来ない。 コッチが来て欲しくない時に来る事も有れば、願い通り来ない時もある。 コッチの予定に合わせてくれる訳がないのだ。
それは、お空のご機嫌も同じで。
週間予報や過去のデータで、比較的晴れの時期を選んだのだが、予報は、しょせん予報。 確実ではない。
「まぁ、ぱぁっと晴れてくれるとエエけど、曇りでも雨さえ降らなんだら御の字や」
「でも、ここの所、だんだん曇り具合が濃くなってるような … 」
「だよね〜。 だから、アタイ達も心配になっちゃってさ」
2人の言う通り、だんだん濃くなる雲。 雨を心配してしまうのも無理はない。
「 ……… “雨乞い” ならぬ、 “晴れ乞い” でもしてみよか」
しばらく考えていた十三は、そんな事を言ってリビングルームを出て行った。
「「 “晴れ乞い” って …… ?」」
一木兄妹は、ただただ、首をかしげていた。
しばらくして、十三がリビングルームに帰ってきた。
手には何やら布やらヒモやら … 。
「よっしゃ、 “晴れ乞い” するでっ」
ソファにどっかと座った十三は、何かを作り始める。 不思議に思った一木兄妹は十三の両脇に陣取る。
「あっ、これ!」
「 “晴れ乞い” って、 “てるてる坊主” の事かぁ」
十三が持ってきたのは、 “てるてる坊主” を作る材料だったのだ。
「 “晴れ乞い” なんて言うから、御祓いでもするのかと思った。 『晴れろ〜、晴れろ〜、太陽よ出てこい〜』 って(笑)」
「アタイも〜(笑)」
金太は御祓いの仕草をしながら、言った。 知恵もそれに同意する。
「何言うてんねん! 天気晴れにしたいなら、全国共通でコレに決まってるやん!」
「ホレ」 と2人にも材料を渡し、 “てるてる坊主” 作りを促す。
張り切って作った “てるてる坊主” は三者三様。 それぞれリビングルームの窓際に吊した。
「晴れたらいいね」
「そやな」
てるてる坊主、てる坊主。 明日天気にしておくれ … 。
たまの息抜き。 雨にもキャンベル星人にも、邪魔されたくないと思う3人だった。
* 忍の言い訳 *
お出かけする時には、やっぱり晴れて欲しいし邪魔して欲しくないよね。
それでなくても、邪魔されてばかりだものね。
遊園地も、花見も、寒中水泳も(笑)
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