DAYTON AIR-MORTION TWEETER (TOURAN)

ダッシュ位置ツイーターの換装

Testing

本来はソフトドームのツイターのみが装着されているTouranのダッシュに無理矢理Pireless2.5"フルレンジと、Focal の公式ページに型番がないのでパチもんとの疑惑が拭えない?TN57というツ イターを搭載していたが、この代物ツイターとんでもなく品質管理が悪くて個体の特性はバラバラ、クレーム交換で送られてきたものは何れもと違う特性でどれ が本来の物なのか謎であり、このまま何個交換しても永遠にペア組めないんじゃないか?と諦めて能率が近い方でガマンしながら鳴らしていたが、6年経った先 日ついに 音量が突然変化したり、不規則に「ジャリッ」という感じの歪んだ音を出すようになった。 ポジティブな私的にはこれ幸いと換装する機会に恵まれ た?ので、以前からELACやADAMのスピーカーを見てて気になっていたハイルドライバー型というか、JET型というか、リボン型というか要は折り畳ん だカプトン振動板の隙間が変化して、挟まれた空気が押し出されるという変 わった構造のユニットを搭載してみることにした。 何よりも物珍しさと、サイズ的にTN57より少しだけ小さくて換装が容易そうだった事と、在庫セールでリー ズナブルな価格だった事が選択の決め手となった。


使用ユニットについて

前回は「TN52そっくりさん」の代物ユニットにペアで4千円弱もはたいてしまったが、今回はさらにその2倍という大金を投じた。入手は 海外通販と殆ど価格差が無かったので横浜のベイ サイドネットで購入。

package

基本的には丸穴を開けてフロントバッフルの裏側から差し込んでグルーとか押さえ金具で固定するタイプみたいで、海外ではオプション扱いのフェイスプレー ト(フランジ 直径56mm)が付属していたけど、これに交換して普通に外側からマウントするには愛車のスペースが足りないので今回は使用しません…

top view

下の画像はフェイスプレートを付けるとどうなるかというイメージです、中央のファストン端子が付いてるラグ基板がバスケット(エンクロージャー)よりも 外へはみ出しているので、絶縁板の両端をカットでもしない限りピッタリサイズの丸穴だと外側からは挿せないので注意されたし。

back view

とりあえず、仮置きで音色と能率を確認してみます・・・

fitting

その結果から判ったこと、「これは スーパーツイターです!」ですから、低い周波数の音を入れると残念な結果となります。 

音圧的には3.5kHzぐらいまで出るには出るのですが、もちろんその下はスパンと一切出ませんし、なによりも4kHz付近まで鳴らしてしまうと金物は ジャ リジャリ、ボーカルの子音はヒステリックな雑音と化してしまい本来の評価と全く違う結果となってしまいます。 いろいろ鳴らしながら実験的に得られた結果 から私の推奨は3次のHPFで6kHz以上、2次なら10kHz以上です。 この範囲であれば車内で十分な音量が得られますし、
音質的にも素晴らしくトランジェントが良く、小音量でも輪郭がハッキリ見えるような音が楽しめます。


ネットワークについて

基本的に低能率なユニットなので、高能率なフルレンジとかが相手では音量バランスが取れません。  そのような場合には迷わずバイアンプかチャンデバとマルチアンプにしましょう。


私の場合、相手が幸運にもピアレスの小口径フルレンジという重いアルミコーンで能率が低いものだったので、抵抗アッテネーターを使うこと無くバランスをとるこ とができました。 以下にシミュレートした回路とその特性を示します。 点線内は仮想のデバイスで、左端がアンプ側、右側のR7がAMT mini-8の代わり、その下がミッドローのユニット(L3とR4のコンビは簡易的な830985の特性モデリングをやる為なので、実際のネットワークに はL3,R4はありません)、 2way構成ですがあえてツイター側が3次HPF、ミッドロー側2次LPFという変則的な構成としています。

Schematic

これには理由があって、830985は2kHz位から上はレスポンスが落ち込んでくるの で、定数を一般的なものでなく敢えてQを高めに設定し僅かに「肩が張った」特性にしています。こうすることで少しでもミッドローをフラットに近づける補正 をする意図があります。 このネットワークは混成なので等距離ではユニット間の位相が合わないのですが、今回は物理的に不等距離で変則的な配置なので、どつちみち 合わないのだから空間で合成された総合的な特性を見ながら調整することにします。 調整方法としてツイターに並列に抵抗を付加することでツイターのローエンド 側の音圧レベルを 微調整することができるような回路になっています。具体的には抵抗とツイターでの合成インピーダンスを〜5Ωまでの範囲で僅かに下げるとクロス周波数付近 だけ レベルが下がるようになっているのでミッドローとオーバーラップする領域の調整ができるという訳です。 特性がどのように変化するのか気になる方は SPICE等でR7の値を振ってモンテカルロ解析をされてみる事をおすすめします。

周波数特性のシミュレーション

Freq-Resp-sim

位相特性のシミュレーション

Phase-sim

ツイターとオーバーラップする領域では、180度近い位相差があるのでユニット間は逆相接続にする ことにします


ネットワークの作成作業

ツイター用のHPF

hpf

TN57 の付属ネットワークに使われていたインダクターは、実測してみたところ表記の0.19mHは100kHzでの値であると判明、1kHzで測定したところ 0.21mHもありました、なんだかな〜という感じですが、気を取り直して巻線を少しほどいて減らし設計値の0.12mHになるように合わせました。 全部エロ(ERO)コンにしたかったのですが、最近はそれほど拘りも無くなってきたので手持ちの部品で行きます。


こ ちらはミッドロー用。端子台なのでネジ緩めて部品交換するだけですぐ終了〜、 ちなみにインピーダンス補正用の4.7uFと4.7ΩはSPユニットの裏 側に付けています、こうすることで誘導性負荷であるSPがより抵抗に近い特性に近づくためなのか、そこまでのケーブルの違いによる音色の差等がより出にく くなるような気が個人的にしてます。

lpf



インストール作業

デリケートなツイター用のダイアフラムに異物が入ったりしないように養生して作業を進めます。

TN57を撤去した跡にシリコンシーラントをタップリ塗ってAMT mini-8を取り付けます。

Sealing

AMT mini-8の裏側にあるラグ基板が通るようにコーリアンをザグった一部を切り欠いてあります。 裏側は背圧が掛かってエアもれしないように全面にシリコンコーク材 で埋めてしまいました。

Sealing Back

ここで、出来上がったボードを仮付けしてみました。 まだ養生テープが付いたままですが、これはエアで周囲の埃を吹き飛ばしてから剥がします。

Mounting


右側の各ユニット個々の特性を一枚に重ねて描いてみました。

右側のユニット個別の特性、CDA9887Jiの駆動モード的にはパッシブ2Way+サブウーハーです。個別に測っているのでオーバーラップしている帯 域の盛り上がりがありません、

ツイターの音は-18db/oct以上の鋭さで6kHzよりも下が鋭く切れているのに対し、ミッドローの上の方はブロードに下がっていきますが、15kHz付 近にメタル振動板の自己共振によるピークが(点線位置)-10dBほどの大きさで見えています。こに程度のピークだと音色のクセとして聞こえてくるため気にな るので対策が今後の課題です。


左chをドアのウーハー(SUB)と個別にして測ってみました。(約5cm)両者の音量バランスはヘッドユニット側で調整できます。これも個別に特性測 定しているのでオーバーラップしているクロス帯域の盛り上がりがありません。


以前のフォーカル?と比較するとツイターの大きさは僅かに小さくなりましたが、一見では大して変わらない雰囲気です。

Installed

・・・ところが、出てきた音は以前とは大違いでした。


左右ch綜合での周波数特性をざっとチェックしてみました。(左右モノ同時発音状態でエンジンは切って測定しています、運転席耳元の位置で測定)

Measured Resp



換装直後の感想

音 出しした最初の印象は、「付帯音がない」「小音量時に音の輪郭が見えやすい」 「音の強弱ニュアンスがよくわかる」などトランジェント特性の良さからくる ものと思われものが多く、老化で聞こえなくなったのかと勘違いし てた16kHzのEQ補正変化がちゃんと聞こえる(ヨカッタ・・・)など新しい体験とも言える音でした。 だだあくまでも「輪郭が見えやすくなった」で あって 「エッジ」が立つと表現されるような硬質な類いの音ではなくて、小音量でも繊細なニュアンスを楽しめるという点でもソフトなのでどちらかというとホーム オーディオのマニア好みかも。エー ジングを通して印象が変わって来る可能性はありますが、今の時点での感想は素性は良いんだけど音量を問わず常に一様な音色で再生を求められるプロオー ディ オ用途とかには最大音圧が不足ぎみ?といった印象が残る趣味性が強いユニットですね。 ただ小さな音でもよく通る音なので小音量で結構離れても聴ける とい う美点があるので超小型のデスクトップPC用パワードSPとかで使ってみたい気がしています。



換装後一週間での感想と調整

ざっと音圧を測定した結果ではそこそこにバランスが取れていたのですが、色々な曲を聴いていくと8~9kHz付近の盛り上がりが少し気になってきまし た。 そこでAMT mini-8とパラに20Ωのセメント抵抗を接続してクロス周波数より少し上の帯域付近の音量をわずかに落とすと総合的なバランスが 幾分改善できました。

(2014年9月2日追記)


ALPINE CDA-9887ji Parameter Setting (AMT mini-8, 830985 & Door SW version)

(Right-Handled Car, Full-Range Front-Only + Subwoofer Sysytem Mode)

Category
Parameter
Value(L)
AUDIO
Factory's EQ
User
T.CORR Parameter
cm
Filter Type
L/R
SUBW. Phase
0
SUBW. Channel
Stereo
EQ Mode
Parametric EQ
Subwoofer
ON
MX
mx Mode
Non Effect
CTRL
BALANCE
+0
DEFEAT
OFF
MultiEQ
OFF

Category
Band
Freq.
Curve(dB/oct)
Value(L)

Value(R)

Crossover
LOW
160Hz
24
-2
0
MID-L
20Hz
FLAT
Don't Care
Don't Care
HIGH
160Hz
24
-2
-2

Category
Parameter
Value
T. Correction
L-SW
0
R-SW
47.6cm
L-F
23.8cm
R-F
81.6cm
L-R
Don't Care
R-R
Don't Care

Category
Band
Gain
Freq.
Q
Parametric EQ
Band1
+1
40Hz
1.5
Band2
-1
100Hz
1.5
Band3
+2
315Hz
1
Band4
-1
1.2kHz
3
Band5
-3
16kHz
3

(Setting @ 17th, Aug. 2014更新)

こ のセッティングでは、ボーカル等センター定位の音像を、右ハンドル車のタコメーター付近に定位するように設定しています。 


補足注意事項:

【インプリント】

評価検討中・・・

【クロス周波数のセッテイング関連】

クロス周波数を少し高くしたら、どうにもガマンならない位に830985のセンターキャップの共振っぽい音が耳につ いてしょうが ないので、試しにヘッドユニット内蔵のパライコを16kHz, Q=3、Gain=-1dB〜-2dBすると、あまり気にならなくなりました。 TN57のときは判らなかった変化で歳のせいだと思ってましたがなん とこの周波数付近まだ聞こえていたんですね・・・・


実施日 2014.Aug.12th