インピーダンス計を使用した密閉型エンクロージャーのチューニング方法

(赤線がインピーダンスカーブ)

原因
周波数特性

対策方法

容積不足

中低域に張りがある音はするのだが、低い周波数帯域まで伸びない
  • まず、何よりもエンクロージャー容積を増やす事を考える。
  • サブウーハーなら裏返しにして取り付けてみる。
  • 吸音材を多量に入れてみる(等価的な容積が一割程増える)
  • Qtsが小さく、Vasの少ないユニットに交換する。
  • エンクロージャーの強度を落としてみる
  • パワーパッドをSP裏の面に貼ってみる
適正

  • 試聴してみて好みの低音が出てればこれで OK!
  • 使用するユニットの音質の好みで意図的にずらす事もあり
  • チャンデバ等で特性のフラットな部分だけを使用するためローカットを入れる場合はインピーダンスの山よりも高い周波数で切ること。
  • パラメトリックEQ等で再生帯域を広げる場合は、インピーダンスの山よりもやや下側の帯域を多少ブーストする事で、再生帯域を1オクターブ程なら広げる事が可能。(ダイアフラムの振幅オーバーに注意)
容積過大

何となく力のない薄い音がしたり、低域に締まりが無かったりする
  • 軽度の場合、固い物(木片等)をエンクロージャー内部に入れエンクロージャーの実効容積を減らしてみる。
  • 吸音材の量を減らしてみる。
  • あまりにも容積過大な場合には、エンクロージャー内部を仕切るなどして構造を変更して、実効的なエンクロージャー容積を減らすことを考える。
  • Qtsが大きく、Vasの大きなユニット(例えばフリーエア型)に交換する。
  • コーナー等でユニットの置かれている環境によっては、この方がフラットな特性になる事もある。
  • EQで補整する場合、インピーダンスの山よりも下の周波数ではブーストしない方が無難(ダイアフラムが振幅オーバーになりやすい)