三菱グランディス純正オーディオの場合、スピーカーが直接鉄板にネジ止めされており、他社クルマによくある樹脂製のブラケット等が使われていません、従ってカスタムフィツトのスピーカーでも買ってこない限り、そのままでは寸法の関係から取り付けることができません、また内部損失の小さい鉄板に直接スピーカーを固定するのは音質の面からも望ましくないため、今回は適度な質量と内部損失を持つMDF(Midium
Density Fiberboard)を使用してインナータイプのSPボードを製作します。
まず最初に純正SPを外し、薄い紙を当ててSP用の取付穴とバッフルの外形を写し取っておきます。 続いて、この紙を段ボールに当てて実寸の型紙を作成します。(下画像)
次に段ボールで型紙を切出して、現物で取付位置やSPの奥行き等に問題ないかどうか確認しておきます。 車によっては左右の形状が異る事があるので、必ず両方のドアで確認しておきます。
→17WLQ(Dynaudio System240)用インナーバッフル型紙のPDFデータ
干渉や取付に問題なければ板どりをします、今回は左右対象で大丈夫だったので、型紙を裏返して反対側の形をけがきます。
いよいよ切出しです、厚さ18mmのMDFボードに自在錐でまずSPの丸穴を開けます、かなりトルクがある電動工具でないと大変です(2個目の穴を開けたところで、画像に写っている電動ドリルは息絶えてしまいました・・・)
丸穴が開いたら、外形をジグソーで切り出します。
SPの固定には「ツメ付きナット」という物を使用するため、ネジ穴の裏側は鉄板に当たらないようにザグっておきます(下画像右上の穴)
こうやってスペーサー(インナーバッフル)切削加工が完了したところ
MDFは吸湿しやすく、水がかかるとふやけてしまうので、防水と若干の硬度アップを狙ってウレタンニスを塗ります。 相当に染み込みますが完全に乾いてしまうと塗装前とは叩いた時の音が全然違ってきます (コンコン→カンカンと変化)
スピーカーとボードが接する面の隙間を無くすためにパッキン材を貼り付けます。
純正SPを取り外します。
今回はボードをボルトで固定するので、ナイロン製のセルフタッピングネジ用のアンカーを取り去ります。
ボードを固定する前に、シリコンシーラントでコーキング処理します。
隙間ができないようにたっぷりと塗りつけておきます。
位置を確認してしっかりと鉄板に固定します、この時に、絶体に鉄板と板の間に隙間が出来ないように注意してください(理由はTipsのページを参照のこと)
ドアの内側からスパナでボルトをしっかりと締め付けます。
きつく締めないと隙間が開いてしまったり、低域の立ち上がりが、ぼやけてしまいます。
ここまで作業したところで、溶剤が抜けてしまうまではしばらく放っておかないと、発生するガスでユニットの接着個所を痛めてしまいますし、人体へもいいことがありません。
今回のGrandisへの取り付けを図解すると下の断面図ようになります。
隙間なくがっちりとスペーサーが付いたら、配線を接続してからSPを取付けてます。
(写真のSPはDyaudio社製 17WLQ)
ユニットがボードに密着するように均等なトルクを掛けながら締め上げ、取り付け完了!あとは内張りを元通りに取り付けて作業おしまい。
(補足)
シーラント材の溶剤が抜けて体積が減少したり、鉄板が変形してくるので、数日鳴らして落ち着いてきたところで、ボルト類の増し締めを行ったほうがベターでしょう。