フェイズシフターによる音像イメージ改善の実験(part2) |
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実験したシステム構成について(ver0.2)
- (Block Diagram of Phase Shifter Delay System ver0.2)
ver 0.1の評価を進めていくなかで、反対側のチャンネルに対して位相をズラす方向を逆向きにすれば望む帯域の効果はそのままに、全体としては違った状態になるのではないか?と思いついたので、早速この逆アプローチを試してみることにした。 回路的には下に示すような回路となる。 ver
0.1の回路とは位相がズレる方向が逆となる。
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- (回路解説)
上半分が運転席側チャンネルのバッファ回路(左右チャンネルの音質を揃えために搭載、無くても動作します) 簡単に逆相にできるスイッチを搭載していますが基本的にこれも不要です。 今回の実験に使用したオペアンプはアナログデバイス社のOP37ですかOP275,
OPA2604やOPA2134、4558DD等のデュアルタイプのものでも大丈夫です。 回路図の下半分が今回の心臓部である助手席側の処理回路、103
(0.01uF)のコンデンサーはマイラーフィルムコンデンサーやポリエステルコンデンサーなど音質を考慮して選んでください。 帰還抵抗の10KΩとパラに入っている発振止めコンデンサー(10pF)はスチロールコンデンサーやマイカがお勧め。
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- この回路では位相をシフトさせない状態では正相出力となるため運転席側のバッファー回路全体を省略可能。 今回は処理しない状態との比較が簡単にできて、かつポップスノイズが出ないようにリレーの結線方法を変更、簡易的にリレーの駆動回路を省略してヘッドユニットのリモート出力で直接駆動しても構わない(但し、アゼストやマッキンのヘッドユニットの場合は省略不可→たぶん壊れます)。 バイパス兼ミュート機能が不要の場合は、DPDTリレーもダイオードも電源回路図一番下側のリレー駆動回路も要らない、リレーのメーク端子とコモン端子間を直結するだけでOK。
- ver 0.2 感想
ver 0.1 の回路の場合、定位に関しては一応の効果があるものの、音色的に痩せてしまうことや、総合的な定位感がまとまらない現象が解消できなかったが、今回の回路にてほぼ満足のいく成果が得られた。 音像の定位よりも何にも増して改善効果が大きかったのはセンターに録音されたボーカルの音色が太くくっきりとなった事である、結果的にどちらかというと定位の改善効果よりセンター定位の楽音の音色改善効果が大きかったことは意外であったが、理論的にも十分納得のいくことであり、長時間聴いていても疲れにくくなって、現在非常に満足している。
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