フェイズシフターによる音像イメージ改善の実験(part1) |
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最初に実験したシステム構成について(ver0.1)
- (Block Diagram of Phase Shifter Delay System ver0.1)
運転席側のチャンネルにのみ位相回転処理を行う。 助手席側のチャンネルは単にバイパスしてSPの配線で位相を反転しても構わないが、別の要因による評価の間違いを避けるためにも、この実験では両方のチャンネルの音色が揃うように助手席側のチャンネルに位相が反転可能なバッファー回路を搭載することにした。 今回の実験では制作しませんでしたが、この回路はパワーアンプに直結されるため、システム構成によってポップスノイズが出る事が予測されるので、念のための電源オン/オフ時にリレーでミュートする回路も書いてあります、ミュート機能が不要の場合は、各chのメイク端子とコモン端子間をバイパス(直結)すればOK。
- ver0.1 回路図
ある特定の周波数から上の音は遅れ方向に位相が変化し最終的に高域端では逆相になってしまうにも関わらず、低音域側では殆ど位相がズレてはいけない、しかも全体の周波数特性は一切変化させてはいけないという一見矛盾するような要求に応えられるようフェイズシフターもしくはオールパスフィルターと呼ばれる電子回路を使って運転席側のチャンネルの位相だけを変化させる回路を設計し、実際に愛車に搭載して評価実験を行った、以下のその回路(右ハンドル車用)を示す。
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- (回路解説)
- 回路の方式上、位相をシフトさせない状態で全体の位相が反転する回路のため、左チャンネルの回路は位相が反転する状態がノーマルとなっている、左チャンネルの回路をバイパスしてSPの極性を入れ替えても同じ効果が得られる。 リレーのAとBの端子はミュート制御回路で駆動される、ミュート機能が不要の場合は、各chのブレーク端子とコモン端子を直結すれば大丈夫、
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- ver 0.1 感想
確かにセンター寄りにボーカルの音像が動くのは判るが、特定の帯域のみに効果が集中している感じがするのと、位相が変化しズレるため、ボーカル以外の音の定位が広がってしまい、極端にいうとピンポイントのセンター定位のボーカルの両脇が少し開いてしまって、その外側に散らばってしまったバッキングが聞こえるといった感じ、不自然な各パートの定位感があり、各楽器の音色が細くなってしまう、色々とセッテイングを試してみたり、左右入れ替えて試してみたりもしたが、部分的に見るものはあっても、総合的に気持ちよく聞ける音にはならず、結局2週間ほど粘ってみたがちょっと失敗だなぁと諦めた・・・
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