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〜アスベスト問題と企業の責任について考える〜part2
アスベスト救済基金負担〜特別事業主の要件とは?
     
選ばれた4つの企業−19の意見
(その18)

2006.12.7更新

19の意見
もくじ



 意見18−報告書の信頼性の問題

[意見]
<該当箇所>
参考資料 「石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する考え方について」について

<意見内容>
意見募集の参考資料となる、検討結果について報告する文書は、検討の経過と内容を正確に伝えるように配慮すべきだ

<理由>
意見募集の参考資料となっている「石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する考え方について」は、今回の提案に至るまでの検討結果を報告した文書であるが、この報告書で示されている検討経過の説明には、いろいろな意味でごまかしが見受けられる。

第1に、報告書2ページでは、「4 特別事業主の要件」として、(1)(2)にあげられた要件を満たす特別事業主を選び出すとしている。

しかし、環境省の回答によれば、現実に行われた検討作業は、600〜800事業場の中から、労災認定件数10件以上の事業場を選び出し、該当した9事業場ついて、石綿の使用量1万トン以上であるかどうかを調べ、市区町村の中皮腫死亡者数が全国平均であるかどうか調べたという。

実際に行われた検討の手順は、2ページ下に注として、次のように書かれていた。

「*なお、すべての事業主の事業場ごとの石綿の使用量を個々に推計することは現実的に困難であることから、事業場ごとの指定疾病の発生状況(石綿にさらされる業務による肺がん・中皮腫の労災認定件数(石綿による健康障害に係る船員保険の災害補償認定件数を含む))を勘案して、石綿の使用量の推計を行う事業場を絞り込むこととする。」

わからないように下に注として書かれているだけだが、実際にはこの絞込みによって、600〜800もの事業場のうち、わずか9事業場に絞込みが行われた。はじめの段階で1%程度までに絞込み作業を行ったことが、明確にはわからないように書かれている。

これについては、事業主検討会の委員からも質問が出され、環境省の担当者は「率直に申し上げるとそういうことなのでございますが・・・」と次のように答えている。(第2回「石綿の健康被害の救済に係る事業主負担に関する検討会」会議録より抜粋)

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○岩村委員 よろしいでしょうか、ちょっと違うことなのですが、私も基本的にはこの特別拠出の考え方というのはよくできていて、これで大体いいのではないかというふうに思っておりますが、ちょっと細かいことが気になっているところがあってお伺いしたいのですが、一つは資料の3で、一番最初の考え方の出発点になる特別事業主の性格というところのペーパーで、4のところ、先ほどちょっと問題になっていましたが、4のところの趣旨がいまひとつよくわからなくて、3が特別事業主の選定の一般的な考え方で、読んでいくと4は一般的な考え方の中で用いる石綿の使用量について、こういう形で考えるのだということなのですが、その4の一番最後の部分のところが中皮腫の労災認定件数を用いて、一定の推計を行う事業主を絞り込むというのは、これは労災認定件数を用いて一定の推計を行うということではなくて、労災認定件数を使って、ある事業主を絞り込んで、それらの人について石綿の使用量を推計するという趣旨ですか。

○事務局 率直に申し上げるとそういうことなのでございますが、実際には特別事業主の要件そのものは3つの要件、特にそれを順序づけているわけではございませんので、3つの要件を同時に当てはめるということになるわけですが、具体的な作業をやるに当たっては、3つの要件のうちすべてこれを「かつ」で結んでいる要件にしているわけですので、そのうちの一つであるところのいわゆる指定疾病の発生状況、労災の認定件数がまずどうであるかということを当てはめることによって、結果、石綿の使用量を推計する範囲がある程度絞られるということでございますので、作業の順序としてそうなるということではあるのですけれども、率直に言えば先生がおっしゃったとおりでございます。

○岩村委員 そうですか、ちょっとややよく趣旨がわからなかったものですから、もし報告書にするとき、ちょっと文案を検討していただければというような気がしました。
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次に、報告書5ページに出てくる
【特別事業主Anに係る特別拠出金のイメージ図】では、
 石綿の使用量分(A)
 指定疾病の発生状況分 (B)
の比率が7:3程度に見えるように分割されているが、実際にA:Bの比率は66:1(727:11)で、極端にB(指定疾病の発生状況分)の比率が小さいのである。

わざわざイメージ図と断っておきながら、実際とは違う図を描いて、適切に配分されているようなイメージを与えている。

さらに、4ページの【算定式】でも、
 ○石綿の使用量分(A : )
  73.8億円×967/(967+860×0.017)
 ○指定疾病の発生状況分(B : )
  73.8億円×(860×0.017)/(967+860×0.017)
と算式でしか示されていないが、
実際には、
 「石綿の使用量分(A)」の金額は、72.7億円
 「指定疾病の発生状況分(B)」の金額は、1.1億円
で、はっきり数値として書くことができるにもかかわらず、わざと数式でわかりにくいように書かれている。

このような書き方は、一般の人に対する理解を難しくし、わざとわかりにくくしているとしか思えない。

今後、今回のような、実際に行われた検討作業の経過とは違う説明や、わざとわかりにくく書かれた報告書が提出されり、意見募集の資料として用いられることがないようにするべきである。



(2006.12.5) (19の意見-もくじへ戻る)



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