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〜アスベスト問題と企業の責任について考える〜part2
アスベスト救済基金負担〜特別事業主の要件とは?
     
選ばれた4つの企業−19の意見
(その14)

2006.12.7更新

19の意見
もくじ



 意見14−負担する企業名を秘密にする方針は止める

[意見]
<該当箇所>
参考資料 「石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する考え方について」について

<意見内容>
特別事業主の名称を秘密にする方針は止めるべき。

<理由>
参考資料 「 石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する考え方について」は、今回示されている案の検討過程について報告した文書であるが、この6ページには、
 「8 その他 特別事業主の名称及び特別拠出金の額については、公にすることにより、当該特別事業主の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあること等から公開しないことが適当である。」
と書かれている。

環境省の回答によれば、特別事業主の選定過程で、労災認定件数10件以上に該当する事業場として、次の9事業場が選定された。
・ (株)クボタ大浜工場神崎分工場
・ ニチアス(株)羽島工場
・ 三井造船(株)玉野事業所
・ (株)IHIマリンユナイテッド呉工場
・ ニチアス(株)王寺工場
・ 住友重機械工業(株)横須賀製造所
・ 旧日本エタニットパイプ(株)大宮工場
・ 旧日本エタニットパイプ(株)高松(四国)工場
・ 太平洋セメント(株)秩父工場

そのうち、国土交通省造船課の所管する次の3つの事業場
・ 三井造船(株)玉野事業所
・ (株)IHIマリンユナイテッド呉工場
・ 住友重機械工業(株)横須賀製造所
は、石綿の使用量が1万トン未満と推定され、特別事業場の要件に該当しないこととされた。

さらに、
・ 旧日本エタニットパイプ(株)大宮工場
はさいたま市の中皮腫死亡者数が全国平均に満たないために、特別事業場の要件に該当しないこととされた。

したがって、特別事業場は次の5つの事業場であり
・ (株)クボタ大浜工場神崎分工場
・ ニチアス(株)羽島工場
・ ニチアス(株)王寺工場
・ 旧日本エタニットパイプ(株)高松(四国)工場
・ 太平洋セメント(株)秩父工場

特別事業主となるのは
  (株)クボタ
 ニチアス(株)
 旧日本エタニットパイプ(株)
 太平洋セメント(株)
の4事業主であることがわかる。

このように、現在でも、該当する特別事業場として上記の5つの事業場、特別事業主として4つの事業主の名称が、ほぼ明らかにされている。

新聞報道でも、クボタ、ニチアスの企業名と4社ということは明らかにされているので、他の2社が秘密とされているのはかえって不信感を与える。

昨年アスベスト問題は大きな騒ぎになり、大勢の被害者が環境ばく露という形でも発生していることがわかった。被害者の苦しみは甚大である。企業は、労災認定の手続きなどを通じて、アスベストによる被害者が発生していることは承知していた。これまで長期間にわたり、アスベストに関する調査研究、飛散防止対策等をはじめ、莫大な公的資金が投入され、それは税金として国民が負担している。

このような、アスベスト問題の重要性、被害の深刻性、社会的な経費、公的な負担等を考えると、今回のアスベスト被害救済基金の創設にあたり、アスベスト関連のどの企業がどのような負担を負うのか、また、どの企業が特別な負担を求められないのかを、社会に対して明らかにすることは、必要不可欠であると考える。

秘密にする理由は、負担をしなかった企業が社会的な批判を浴びないようにするためではないかという疑いもあり、行政と特定の企業との癒着という問題が出ていないことを示す必要もある。

万一、公表することによって企業の利益が損なわれる面があるとしても、アスベストが国民に与えた負担、多くの被害者に与えている苦痛、また今後与えるだろう健康被害に比べれば、些細なものといえる。

今回、環境省が行っている特別事業主を決定するための作業が、特定の企業の利益に結びつく結果になっていないことを説明するためにも、企業名は公表するべきである。


(2006.12.5) (19の意見-もくじへ戻る)



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