2006.12.7更新
19の意見
もくじ
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意見13−造船の石綿使用量を推計する際に用いるデータを変更すること
[意見] <該当箇所> 「石綿による健康被害の救済に関する法律施行例の一部を改正する政令案の概要」(資料1) 「(3)@
当該工場又は事業場における石綿の使用量(昭和26年から平成17年までの合計)が1万トン以上であること。」の部分(【法第47条第1項】関連)
<意見内容> 造船の石綿使用量の調査は、経済産業省、または(社)日本石綿協会が所有する、造船業界の使用量のシェアに関するデータを使用するべきである。
<理由> 環境省によれば、特別事業主の特定の際、はじめに労災認定件数10件以上に該当する事業場として、次の9事業場が特定されたという。 ・
(株)クボタ大浜工場神崎分工場 ・ ニチアス(株)羽島工場 ・ 三井造船(株)玉野事業所 ・ (株)IHIマリンユナイテッド呉工場 ・
ニチアス(株)王寺工場 ・ 住友重機械工業(株)横須賀製造所 ・ 旧日本エタニットパイプ(株)大宮工場 ・
旧日本エタニットパイプ(株)高松(四国)工場 ・
太平洋セメント(株)秩父工場
そのうち、国土交通省造船課の所管する次の3つの事業場 ・ 三井造船(株)玉野事業所 ・
(株)IHIマリンユナイテッド呉工場 ・
住友重機械工業(株)横須賀製造所 は、石綿の使用量が1万トン未満と推定され、特別事業場の要件に該当しないこととされたということだ。
これら3つの事業場で、石綿の使用量が1万トン未満と推定された際の算出方法は、 [日本の過去のアスベストの総輸入量967万トン]に、[昭和57年の造船部門のアスベスト使用量
0.5%]を掛けて、造船業界全体で使用したシェアを出し、これに、総建造量に占めるそれぞれの事業場の建造量の割合から、その事業場の使用量を決めた、と説明さ れている。
「昭和57年の造船部門のアスベスト使用量」の
0.5%は、 「昭和58年度環境省委託調査報告書 アスベスト製品等流通経路調査」の144ページに出てくる表、「日本におけるアスベスト製品の製品区分と使用区分(昭和57年)」にある「船舶 0.5%」の数値だということである。
しかし、少なくとも3つの事業場うちの一つ、 (株)IHIマリンユナイテッド呉工場(石川島播磨重工業(株)旧呉第一工場) は、昭和50年代半ばまでしかアスベストを使用していないとされている(厚生労働省の労災件数のデータによる)。
厚生労働省の労災認定件数のデータで、主な造船の事業場のアスベストの取り扱い期間を見てみると、おおむね次のようになっている。 日立造船(神奈川工場) 昭和16年〜昭和50年 住友重機械工業(横須賀製造所) 〜昭和62年 日本鋼管(鶴見造船所) 昭和30年頃〜昭和50年頃 日立造船(舞鶴工場) 昭和46年〜昭和50年 日立造船(桜島工場) 明治時代〜昭和46年/昭和46年〜昭和55年 三菱重工業(神戸造船所) 〜昭和57年7月 石川島播磨重工業(横浜第2工場) 〜昭和50半ば 石川島播磨重工業(旧名古屋工場・愛知工場) 〜昭和50年代半ば 日本鋼管(津製作所) 昭和44年〜昭和53年 IHIマリンユナイテッド(石川島播磨重工業呉工場) 〜昭和50年代半ば 日立造船(向島工場) 〜昭和53年 神戸船舶装備(下関工場) 昭和39年〜昭和59年 三菱重工業(下関造船所) 昭和30年〜昭和53年 三菱重工業(長崎造船所) 昭和5年〜昭和56年 三井造船(千葉事業所) 昭和40年〜昭和62年 住友重機械工業(横須賀製造所) 昭和46年〜昭和62年 日本鋼管(清水製作所) 昭和33年〜昭和45年頃 ハイテック(大阪) 昭和22年〜昭和54年 日立造船(大阪工場) 〜昭和60年 三菱重工業(神戸造船所) 〜昭和57年 石川島播磨重工業(相生第一工場) 昭和9年〜昭和52年頃
国土交通省が使用したデータの昭和57年というのは、ほとんどの造船の事業場でアスベストの取り扱いがなくなっている時期であることがわかる。
ほとんど使われなくなっている時期のシェア0.5%を使って、それまで造船業界が使った使用量全体を出すことが不合理であることは言うまでもない。
「日本におけるアスベスト製品の製品区分と使用区分」については、経済産業省が、昭和57年よりも前の時期の使用区分に関するデータを所有しているとみられる(他の書籍にデータが出ている)ので、経済産業省の所有する昭和57年以前のデータを使って推計を行うべきである。
または、社団法人日本石綿協会が同様のデータを所有していると考えられるため、そのデータを使用して推計をし直すべきである。
(2006.12.5) (19の意見-もくじへ戻る)
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