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〜アスベスト問題と企業の責任について考える〜part2

 アスベスト救済基金負担〜特別事業主の要件とは?
     
厚生労働省への質問


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(2006.10.7更新)
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2006年10月13日

厚生労働大臣 柳澤 伯夫 様

アスベストについて考える会
(住所等略)
E-Mail:hepafil@ag.wakwak.com
http://park8.wakwak.com/~hepafil/



アスベスト被害救済基金の事業主負担検討会に関する貴省の対応について(質問)


アスベストによる被害者への補償、被害の発生防止、また、アスベストの全面禁止に向け、積極的に取り組んでいただきましてありがとうございます。
私どもは、アスベスト問題がどのような社会的背景の中で起こっているか、アスベスト問題を通じて私たちが社会の一員として何を学びとっていくべきなのかという観点から、1997年にインターネットのホームページを開設し、アスベストに関する知識の普及や情報提供に努めてまいりました。(詳しくは、文末のホームページを参照してください)。

このような中、今年8月末、環境省から、アスベスト被害救済基金の事業主負担についての検討結果が発表され、特別事業主の要件や拠出金の額が明らかにされました。
それによりますと、追加的な負担を求めるアスベスト関連の事業主(特別事業主)はわずか4社で、その負担額は3億3千8百万円程度の見込みとのことでした。
費用総額は90億5千万円で、アスベストとは直接関係がない企業も含めたすべての企業が負担する一般拠出金の額は、70億4千2百万円の見込みということです(金額は年度あたり)。

この検討結果について、私たちは、
 ・特別事業主の負担する金額が、費用総額や一般拠出金の額に比べてあまりにも低すぎること
 ・負担を求められるアスベスト関連の事業主(特別事業主)の数があまりにも少なすぎること
に驚きを感じています。

 環境省の発表した、このような特別事業主の決め方には、次の点で重大な問題があると思っています。
1 事業主(企業)の要件ではなく、事業場(工場)の要件を決めていること
2 事業主のアスベストの使用量を要件に入れていないこと
3 事業場あたり労災認定件数10件以上という、極めて厳しい要件を決め、最初の段階で、この要件による絞込みを行ったこと
(これにより、はじめの段階で、拠出金算定の対象となる事業場として、600〜700程度の全国の事業場の中から10箇所の事業場を特定した。)
4 市区町村の中皮腫死亡数が全国平均以上という、事業場による被害とは関連性の乏しい要件によって、それ以外の要件に該当した9箇所の事業場に対して更に絞込みを行ったこと
5 アスベストの使用量を推計するにあたり、不明瞭な自己申告に基づく調査結果が使われ(経済産業省)、誤った数値を使ってシェアを推計したこと(国土交通省)
(造船部門の3事業所は、使用量が1万トン以上の要件を満たさないという理由で該当しないこととされたが、日本のアスベストの総輸入量のうち造船部門が占める使用量を、造船部門でほとんどアスベストが使われなくなった昭和57年の使用割合を示す、0.5%という数値を使って算出している。)


このような結果を出した事業主負担検討会(「石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する検討会」)には、貴省から、労働基準局労災補償部労災管理課の中沖課長様が出席されているので、検討会の審議経過についてはご承知のことと思います。

環境省は、はじめの段階で、「事業場あたり労災認定件数10件以上」という要件で、600〜700の事業場から10事業場に絞り込みを行っています。そのため、「事業場あたり労災認定件数10件以上」を満たすかどうかということが、決定的なファクターになりました。
このとき、労災認定件数をカウントするために使われたデータは、貴省が昨年7月と8月に発表した次の資料ということです。
 ・ 石綿ばく露作業に係る労災認定事業場一覧表の公表について(平成17年7月29日)
 ・「石綿ばく露作業に係る労災認定事業場一覧表」の第2回公表について(平成17年8月26日)
検討会で用いられた労災認定件数は、この資料に基づく平成16年度までの件数で、「労災認定件数10件」をカウントする際に用いられたのも、平成16年度までの事業場ごとの労災認定件数でした。

一方、今年7月24日に行われた事業主負担検討会の第1回会合の際に議事資料として配布された、
「石綿にさらされる業務による肺がん・中皮腫の労災補償状況(厚生労働省調べ)」
には、昭和54年度(とそれ以前)から平成17年度までの肺がんと中皮腫の件数と年度ごとの合計が記載されています。
この表によれば、労災認定件数は、昭和54年以前から平成16年までの合計が856件であるのに対し、平成17年度分は722件になっています。
平成17年度の認定件数722件を加えると、労災認定件数の総数が、856件から1578件に大幅に増えるので、「労災認定件数10件以上であるかどうか」を判断する際に、平成17年度分の認定数を加えるか加えないかによって、結果に、相当な違いが出てくる可能性が高いことがわかります。

このようなことから、第1回検討会の配布資料にもあり、事業場ごとの認定件数を貴省が把握されているにもかかわらず、この検討会の用いるデータに、平成17年度分の労災認定件数がなぜ加えられなかったのかということが、非常に問題になってくるわけです。

これについて、当初、環境省から公表された検討会の報告書
「石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する考え方について」
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=8440&hou_id=7461
が非常に不明瞭で、意図的にデータや審議内容をわからないようにしているのではないかという疑問を持ったため、9月18日に、環境省に次の質問書をお送りし、平成17年度の労災件数についても質問内容に入れていました。
「石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する考え方について(緊急のお尋ね)」
http://park8.wakwak.com/~hepafil/pdf2/hiyou-hutan.pdf

9月27日に、環境省から、この質問に対する中間の回答を口頭で受けた際、平成17年度の事業場ごとの労災認定件数のデータを加えなかったことについて、貴省に資料の提供を求めたかどうか聞いたところ、環境省は、「平成17年度の事業場ごとのデータを提供してもらえば加えるという手続きがとれるが、データがないことにはできない」「貴省に教えてほしいと言ったがわからないということで提供されなかった」と説明していました。

 そのため、10月2日に、環境省の行う事業主負担検討会に平成17年度の事業場ごとの労災件数のデータを提供しなかった理由について、貴省の担当課に電話でお尋ねしたところ、担当者は、次のように説明しました。

 ・平成17年度分の事業場ごとの労災認定件数を公表するかどうかは、まだ判断ができていない段階のため、一般に公表されていない
 ・事業主負担については、お金を出すことになる以上、責任を持って、公表されているデータを基に誰もが納得できるようにすることが公平になる。
 ・一般に公表している資料を用いて行うというのが、事業主負担検討会の考え方である。
 ・一般に公表している事業場ごとの労災認定件数は、昨年7月と8月に発表したものがあるだけなので、これらのデータを提供した。
 ・平成17年度の分の事業場ごとの労災認定件数の公表については、自分たちの担当ではないので、公表するかどうかの決定には関知していない。

 環境省の行った事業主負担検討会は、検討結果である特別事業主の名称や拠出金額も秘密とされているほか、アスベストの使用量や市区町村の中皮腫死亡数など、主要なデータも公表されていません。この検討会は、公表されているデータに基づいて誰もが納得できる結果になるようにという考え方では、全く行われておりません。

 この点、貴省の担当者の説明は事実とは違っており、適切な説明とは考えられないため、改めて質問を送らせていただき、文書で回答をいただくということで了解していただいていました。
 つきましては、貴省が、平成17年度の事業場ごとの労災認定件数のデータを環境省の行った検討会に提供しなかった理由と、それに関連して、特別事業主の要件に関する貴省の考え方が、この検討会の検討結果にどのように反映されているのか教えていただきたいので、下記の点につきまして、至急文書でご回答いただきたきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。


1 平成17年度の事業場ごとの労災認定件数のデータを、環境省の行った事業主負担検討会に提供しなかった理由について
@ 貴省の担当課長が出席している検討会の基礎資料として、貴省のデータを提出しなかった理由は何か
A 公表されていないから提供しなかった場合、公表されているものでなければ提供できないと決めた理由は何か
B 公表されていないから提供しなかった場合、平成16年度までの事業場ごとの労災認定件数が、昨年7月29日と8月26日に公表されているのにもかかわらず、平成17年度分については、今年7月24日の第1回事業主負担検討会開催時に公表できなかった理由は何か

2 「事業場ごとの労災認定件数10件以上」という特別事業主の要件について
@ 事業主負担検討会で特別事業主の要件を決める際、貴省は、労災認定件数に関して、環境省や検討会に貴省の意向を伝えているか
A 事業主負担検討会で、事業場ごとの要件を決める際、貴省は、労災認定件数の要件について、10件以上にするべきだという見解を伝えているか
B 事業主負担検討会で、貴省は、労災認定件数やそれ以外の点に関して、何らかの見解や意向を伝えているか

 以上


 ※質問内容について、詳細は、次のホームページをご参照ください。
 新☆アスベストについて考えるホームページ 
 http://park8.wakwak.com/~hepafil/
 アスベスト問題と企業の責任について考えるpart2 
 アスベスト救済基金負担 〜特別事業主の要件とは?〜
 http://park8.wakwak.com/~hepafil/file2/hutan/hutan.html

 ※お送りいただいたご回答につきましては、上記ホームページに掲載させていただきますので、どうぞご了承ください。


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