![]() |
シリアンの遺伝には例外的なコトがいくつかあります。
例外とはいえ、身近に存在する遺伝子の話なので、けっこう重要です。
連鎖 |
通常、遺伝子は種類ごと別々に遺伝しますが、例外的にセットで遺伝しがちな組み合わせがあります。
遺伝子は染色体にあって、種類ごと居場所が決まっています。
染色体は2本ずつあるので、ものすごくデフォルメすると遺伝子はこんなイメージです。(たぶん)
ちなみに、シリアンの染色体は44本(22対)あります。
同じ染色体上にあって居場所が近い遺伝子同士は仲良く一緒に遺伝する傾向にあります。
これを「連鎖」といいます。
けれども、中には単独行動する遺伝子もあって、染色体上と逆の組み合わせの配偶子も少しできます。
これを「組み換え」といい、居場所が離れているほど「組み換え率」は上がります。
遺伝子組み換えといっても人為的なものではありません、念のため。
多数派 | 少数派 | |
![]() |
組み換え![]() |
![]() |
シリアンの遺伝子で連鎖の関係にあるとわかっているもの。(メジャーなもののみ)
〔出典:『実験動物の生物学的特性データ』 ソフトサイエンス社 1989年 田嶋嘉雄監修〕
・白毛赤目グレー耳遺伝子(cd)−シナモン遺伝子(p)・・・組み換え率30.6%(±1.8%) ・バンデッド遺伝子(Ba)−長毛遺伝子(l)・・・組み換え率8.9%(±1.7%) ・サテン遺伝子(Sa)−アンブロウス遺伝子(U)・・・組み換え率15.0%(±2.2%) |
※組み換え率は最大50%であり、数値が低いほど連鎖しています。
連鎖は、配偶子の数の比率に影響を与えます。
仔ハムがもらう配偶子は、親ハムの遺伝子型を遺伝子ごと半分にした全ての組み合わせのどれかであり、
連鎖していない場合、配偶子の比率は理論的に均等です。
連鎖していると、比率に偏りが生じます。
逆パターンに偏ることもあります。
長毛−バンデッドの連鎖を具体的な数値で表してみます。
父:長毛・ぶちなし 母:短毛・バンデッド(長毛1、バンデッド1)から生まれる仔ハムの模様と毛の長さ。
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
![]() |
仮に、母ハムがと
で連鎖しているとして、組み換え率を9%とします。
組み換わっている仔ハムの数2/仔ハムの合計22≒9%
とはいえ、1回に22匹も産まれないので、あくまでも理論的なハナシということで。
実際の繁殖では、組み換え仔ハムは10匹に1〜2匹ぐらいかと。
父ハムの配偶子 | |||
![]() ![]() |
|||
母ハムの 配偶子 |
![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
|
![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
|
![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
|
仔ハムの遺伝子型 | 仔ハムの表現型の理論的比率 |
↑のハムイラスト、長毛がみんな男子になっていますが、長毛であることを見やすくするためであり、
連鎖に性差はありません。