基礎編>例外的な遺伝>劣性致死

シリアンの遺伝には例外的なコトがいくつかあります。
例外とはいえ、身近に存在する遺伝子の話なので、けっこう重要です。

 劣性致死

シリアンの毛色等の遺伝子には、死の遺伝子としての働きを併せ持つものがあります。これらを致死遺伝子といいます。

毛色等の遺伝子としては優性であり、死の遺伝子としては劣性であることから、「劣性致死」と呼ばれています。
1つだけ持っている(ヘテロ)なら毛色等を作り出し、健康面に影響を及ぼしませんが、
2つ持っている(ホモ)場合は、母ハムの胎内で、もしくは生まれてすぐに死んでしまいます。

ゆえに、ヘテロしか存在せず、同じ遺伝子を持つシリアン同士をかけ合わせると、
生まれてくる予定の仔ハムの約4分の1が致死遺伝によって死んでしまいます。

代表的なのは、毛色の遺伝子「ライトグレー遺伝子(Lg)」、模様の遺伝子「ドミナントスポット遺伝子(Ds)」。
これらの遺伝子を持つシリアンの繁殖については注意する必要があります。

かけるな危険!!

ライトグレー遺伝子を持つシリアン同士や、ドミナントスポット遺伝子を持つシリアン同士の繁殖は、
仔ハムの生命や、母胎の安全のためにも避けましょう。

 ライトグレー同士をかけ合わせた場合

 ドミナントスポット同士をかけあわせた場合


致死遺伝を避けるために

ライトグレー遺伝子もドミナントスポット遺伝子もノーマルに対して優性のため、1つ持っているだけで働くことができます。
その遺伝子を持たないシリアンとかけ合わせても、仔ハムの約半数がその遺伝子を持って生まれてくるので、
危険を冒してまで同じ遺伝子を持つシリアン同士をかけ合わせる必要はないのです。

 ライトグレーとゴールデンをかけ合わせた場合

 ドミナントスポットとぶちなしをかけあわせた場合


ドミノの繁殖

模様の“ドミノ”(ドミナントスポット・バンデッド)は、ドミナントスポット遺伝子+バンデッド遺伝子のコンビネーション模様です。
ドミナントスポット遺伝子は劣性致死遺伝子であり、ヘテロしか存在しないため、
ドミノ同士をかけ合わせても全てドミノが生まれるわけではありません。

ドミノに「ぶちなし」または「バンデッド」をかけ合わせれば、そこそこの比率でドミノが生まれます。
ドミノを作るのって意外と簡単なんですよ。

■ドミノ×ぶちなし
(ドミノがバンデッド遺伝子をヘテロで持っている場合)

仔ハムの約1/4がドミノになり、その他にもドミナントスポット、バンデッド、ぶちなしが生まれます。

  の配偶子
DsBa Dsba dsBa dsba

の配偶子
dsba DsdsBaba
Dsdsbaba
dsdsBaba
dsdsbaba


■ドミノ×バンデッド
(ドミノがバンデッド遺伝子をヘテロで持っている場合)

仔ハムの約3/8がドミノになり、その他にもドミナントスポット、バンデッド、ぶちなしが生まれます。

  の配偶子
DsBa Dsba dsBa dsba

の配偶子
dsBa DsdsBaBa
DsdsBaba
dsdsBaba
dsdsBaba
dsba DsdsBaba
Dsdsbaba
dsdsBaba
dsdsbaba


■ドミノ×ぶちなし
(ドミノがバンデッド遺伝子をホモで持っている場合)

仔ハムの約半数がドミノになり、その他にバンデッドも生まれます。

  の配偶子
DsBa dsBa

の配偶子
dsba DsdsBaba
dsdsBaba


■ドミノ×バンデッド
(ドミノがバンデッド遺伝子をホモで持っている場合)

仔ハムの約半数がドミノになり、その他にバンデッドも生まれます。

  の配偶子
DsBa dsBa

の配偶子
dsBa DsdsBaBa
dsdsBaba
dsba DsdsBaba
dsdsBaba