映画・演劇鑑賞記録2011
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12月24日()
演劇集団円・こどもステージNo.30「宝島」(作 寺山修司/演出 平光琢也/会場 シアターX)
パラダイス一座「オールド・バンチ〜男たちの挽歌〜完結篇」(作 /演出 流山児祥/会場 ザ・スズナリ)
12月18日(月)
青森県立美術館コレクション展「北の異才たち」(会場 渋谷パルコ・パルコミュージアム)
カナリア派「誤/娯楽」(作・演出 赤沢ムック/会場 こまばアゴラ劇場)☆☆
12月17日(月)
双身機関「阿片戦争」(作 寺山修司/演出 寂光根隅的父/音楽 小野浩輝/会場 名古屋・スターネットジャパンビル)☆☆☆☆☆☆
会場はあいちトリエンナーレでも使われた4階建ての廃ビル。1階フロアはカーテンで二つに仕切られ、手前側が待合室。椅子とテーブルがおいてあり、過去の公演写真を綴ったファイルなどが見られるようになっていた。やがて開演の時間となると、眼帯をしてちょび髭を生やした背広姿のおじさんが出てきて、「申し訳ありません。開演の時間となりましたが、トラブルのためもう少々お待ちください」と告げる。ふとカーテンの向こう側を見ると、蠢く二つのシルエットが。一人がもう一人を殴る動作をし、「ぎゃあ」という悲鳴が響き渡る。いっせいにそちらを向く観客。先ほどのおじさんが再び現れ、「「犯」という凶悪な囚人が逃げ出し、お客様たちの中に紛れ込んでいる可能性がございます。お気をつけください。それではどうぞお入りください」と告げる。階段から2階へと上がった場所に受付がある。建物を船に見立てた設定で、受付で客の顔を犯の手配書の似顔絵と見比べつつ、「あなたは2等船室へ」「あなたは3等船室へ」へと二組に振り分けられ、時々「ん。こいつに似顔絵に似ているな。怪しい、連れていけ」とさらに別室へと連れて行かれる。私が振り分けられたのは2等船室(という設定の部屋)で、連れてこられた客はそこの床に座らされる。俳優が扮した乗客が先に待っていて「ここはね、2等船室みなさんは上等なお客さん。向こうはね、3等船室。下等なお客さんはあっちなの」「あんたどこから来たの?」などと話しかけてくる。やがて「犯」の顔から作ったというお面を持った俳優がやってきて、座っている観客の一人ひとりの顔に合わせていく。何人かが「こいつお面とぴったりの顔をしているぞ。連れて行け!」と言われ、別室へと連れて行かれる。同時多発的に劇が行われており、あちこちの部屋から色々な声が聞こえてくる。やがて全ての観客が2階の吹抜けの回廊に集められる。そこから1階を覗くと、俳優に連行されていった観客たちが円になって並ばされており、「犯」を探し出すための尋問が行われている。ひとしきり尋問が行われた後、今度は3階へと案内される。三階は無数の壁で仕切られて迷路のようになっており、時折その壁が開いたり閉じたりして、観客を分断させる。仕切られた空間のそれぞれで、看護婦による眼球の診察、中華料理店の客引き、記念写真の撮影といった寸隙が繰り広げられている。寺山演劇に慣れ親しんでいる自分にとっては楽しくてしょうがない内容だったが、知らずにきてしまった若い女性客の中には、全体出来におどろおどろしい内容であることもあって「もうやだ、帰りたい」と本気で涙目になっている姿もあった。さらに階段を上ると屋上にも出られるようになっていたが、そこにはオブジェがあるだけで、俳優の姿はほとんどなかった。3階に戻ると、まだ劇は続いている。驚いたのは、2階の窓の曇りガラスの外側にも蠢く俳優の影が確認できたことだ。かなりの時間迷路の中を彷徨い、繰り返し同じ演目が繰り返されるのに飽きた頃、壁が取り払われ、観客が一堂に会する。俳優による怒涛のような台詞の洪水が終わると、観客は一階へ。「ああ一切れの肉♪一切れの肉♪」というフレーズが印象的な「人肉食エレジ―」の歌に合わせ、スープの入った鍋が観客に手渡されて、公演としては終幕。しかし劇は終わらない。これは比喩的な意味ではなく、会場を出ると、路上のあちこちで俳優たちがそれぞれに劇を続けているのだった。一人の女優は、走っては立ち止まって何かを演じ、というのを繰り返しながら少しずつ遠ざかっていき、ついにその姿は見えなくなってしまった。後を追って劇を見続けたい衝動にも駆られたが、帰りの便の予約があったので、諦めてその場を後にした。
12月10日(土)
「ロッキーホラーショー」(脚本・作詞・作曲 リチャード・オブライエン/演出 いのうえひでのり/会場 神奈川芸術劇場)☆☆☆☆
「第3回 寺山修司音楽祭〜新高けい子さんを迎えて〜」(会場 初台ドアーズ)☆☆
12月4日(日)
大林十姉妹「毛皮のマリー」(脚本 寺山修司/演出 工藤真之介/会場 上智大学1号館講堂)
11月14日(月)
劇団APB-Tokyo「盲人書簡」(作 寺山修司/演出 高野美由紀/会場 ザムザ阿佐ヶ谷)☆☆☆☆
11月12日(土)
Link Project Vol.11「花札伝綺」(作 寺山修司/構成・演出 為国孝和/会場 王子小劇場)☆☆☆
11月4日(金)
「ヨコハマトリエンナーレ2011」(会場 日本郵便海岸通倉庫)☆☆☆
大唐十郎展
「路地の展覧会〜オブジェと唐十郎〜」(会場 桜木町ぴおシティ地下2F)☆☆☆
「21世紀リサイタル〜うたと唐十郎、「四角いジャングル」2011版〜」(会場 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)☆☆☆☆
10月29日(土)
「国際寺山修司学会第12回秋季大会」(会場 愛知学院大学)☆☆☆
10月21日(金)
「ピーター・ブルックとシェイクスピア展」「七代目市川團十郎展」「LIFE
with ART展」(会場 早稲田大学演劇博物館)
流山児事務所「ユーリンタウン」(脚本 グレッグ・コティス/音楽 マーク・ホルマン/台本 坂手洋二/演出 流山児祥/会場 座・高円寺)☆☆☆☆
青蛾館「アダムとイヴ―私の犯罪学」(作 寺山修司/構成・美術 宇野亜喜良/演出 野口和彦/会場 中野・劇場MOMO)☆☆☆☆
10月10日(月)
オフィスコットープロデュース「赤色エレジー」(原作 林静一/脚本・構成・演出 天野天街/会場 下北沢ザ・スズナリ)☆☆☆☆
9月18日(日)
快楽のまばたき「大山デブコの犯罪」(作 寺山修司/演出 高田百合絵/会場 タイニイアリス)☆☆☆☆☆
8月29日(月)
少年王者館「超コンデンス」(作・演出 天野天街/会場 下北沢ザ・スズナリ)☆☆☆
「身毒丸」(作 寺山修司・岸田理生/演出 蜷川幸雄/会場 天王洲銀河劇場☆☆☆)
8月24日(水)
「踊りたいけど踊れない」(原作 寺山修司/演出 松下ユリア/会場 ザ・高円寺2)☆☆☆
寺山修司の同名の絵本を、ダンスで表現する企画。
8月14日(日)
ニッポンの河川「大きなものを破壊命令」(脚本・演出 福原充則/会場 こまばアゴラ劇場)☆☆☆☆
8月13日(土)
「ゲゲゲのゲ」(作・演出 渡辺えり/会場 座・高円寺1)☆☆☆☆
プロジェクトニクス「伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪」(作 寺山修司/演出 金守珍/会場 ザ・スズナリ)☆☆☆☆☆
7月30日(土)・31日(日)
流山児事務所「花札伝綺」(作 寺山修司/演出 青木沙織/会場 甲斐善光寺)☆☆☆☆☆
7月24日(日)
大規模修繕劇団「血の婚礼」」(作 清水邦夫/演出 蜷川幸雄/会場 にしすがも創造舎)☆☆☆
7月2日(土)
演劇実験室万有引力「夢の国『シンクウカン』-寺山修司の「ラジオのための叙事詩」コラージュ構成による-」(言語 寺山修司/構成・演出・音楽 J.A.シーザー/会場 座・高円寺1)☆☆☆
寺山修司のラジオドラマ「青髭と苺ジャム」(昭和36年12月3日放送)をもとに構成された音楽劇。面白いのだけれども、もっと多くのラジオドラマからコラージュした作品になるかと思っていたので、そこが少し残念だった。オーディションで集められたバンドによる生演奏が迫力。シーザーの音楽ももっといろいろ演奏してほしかった。
唐ゼミ「海の牙 黒髪海峡篇」(作 唐十郎/演出 中野敦之/会場 浅草花やしき裏特設テント劇場)☆☆☆☆☆
「暑い夏には熱い芝居を!」と、思わずそんなキャッチフレーズが思い浮かぶような舞台。
6月19日(日)
コクーン歌舞伎「盟三五大切」」(作 四世鶴屋南北/演出・美術 串田和美/会場 シアターコクーン)☆☆☆
6月11日(土)
ナイロン100℃「黒い十人の女」(脚色・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ/会場 青山円形劇場)☆☆☆
劇団APB-Tokyo「ガリガリ博士の犯罪」(作 寺山修司/演出 高野美由紀/会場 ザムザ阿佐ヶ谷)☆☆☆
女優と男優の性別ほぼ完全に逆転した配役が面白い。元々男優の女装役(オカマ役)と女優の少年役が素晴らしい劇団だったが、この作品ではそれが極まっていた。戯曲には書かれていない役柄として、コロス的な役割でメイドさんがたくさん出てくる。若干迎合し過ぎな気がしないでもない。
5月16日(土)
「国際寺山修司学会第11回春季大会」(会場 愛知学院大学)
4月29日(金)
「五百羅漢 幕末の絵師・狩野一信」展(会場 江戸東京博物館)☆☆☆☆
流山児事務所「宇宙大戦争の巻〜もーれつア太郎〜」(原作 赤塚不二夫/脚本 佃典彦/演出 流山児祥/会場 スペース早稲田)☆☆☆
「寺山修司と天井桟敷◎全ポスター展」(会場 ポスターハリスギャラリー)☆☆☆
舞台劇「ココロ」(原作 トラボルタ/脚本・演出 石沢克宜/会場 THEATRE1010)☆☆
4月15日(土)
演劇実験室万有引力『鉛筆のフォークロア』(台本 寺山修司/構成・演出・音楽 J.A.シーザー/会場 笹塚ファクトリー)☆☆☆☆
「寺山修司の予告篇」を原作とした舞台化第2弾。前回が「絵本 巨人伝」を中心にした内容だったのに対し、今回は「絵本 千夜一夜物語」収録の「傴僂男の殺人事件と赤いバラの話」「盲をあなたに」を中心に、「千夜一夜物語」のシェハラザードに関する寺山のエッセイなどを絡めた内容。アラビアンな衣装を身にまとってベリーダンスを踊る女優陣が肉感的で艶めかしい。
4月9日(土)
シネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」(会場 東劇)☆☆☆
ENBUゼミ「墓場、女子高生」(作・演出 福原充則/会場 笹塚ファクトリー)☆☆☆
4月2日(土)
MU「変な穴(女)」(脚本・演出 ハセガワアユム/会場 下北沢OFFOFFシアター)☆☆☆☆
「生命の樹」(会場 岡本太郎記念館)☆☆☆☆
坂口修一×赤星マサノリ二人芝居「男亡者の泣きぬるところ」(脚本 ごまのはえ/演出 山浦徹/会場 こまばアゴラ劇場)☆☆☆☆
3月26日(土)
こまつ座「日本人のへそ」(作 井上ひさし/演出 栗山民也/会場 シアターコクーン)☆☆☆☆
「帰ってきたりったいかいぶつ展」(会場 Bunkamura
Gallery)☆☆☆
流山児事務所「卒塔婆小町」(作 三島由紀夫/演出 流山児祥/会場 スペース早稲田)☆☆☆☆
3月19日(土)
「生誕100年 岡本太郎展」(会場 東京国立近代美術館)☆☆☆☆☆
池の下「阿呆船」(作 寺山修司/演出 長野和文/会場 d-倉庫)☆☆
長野氏は演劇の力を信じていないようで、それが内容からも透けて見えるような感じを受けました。「幻想劇」と銘打っていますが、幻想的な雰囲気・空間を生み出すとのことの終始して、舞台からは熱気や感情のうねりが疎かになってしまっている。美しいシーンもあったのですが、演劇というよりも静物画を見ているようで、音や・動きがほとんど記憶に残っていません。野口和美が出演とのことで、彼女の存在感が舞台を魅力的にしてくれることを期待して観に行ったのですが、そこまでの影響力を持つことはできなったようです。
「ニコニコニーコ」(脚本・演出・音楽 湯澤幸一郎/会場 シアターグリーンBIG
TREE THEATER)☆☆☆☆☆
久方ぶりの観劇となった湯澤作品。「あんずとすしお」以来だから6年ぶりの観劇。とにかくよく動く、よく歌う、よく踊る。エンターテイメントっていうのはこうでないとと思わせる素晴らしさ。
3月9日(土)
「琳派芸術―第2部:転生する美の世界」展(会場 出光美術館)☆☆☆
野田地図「南へ」(作・演出 野田秀樹/会場 東京芸術劇場)☆☆
2月27日(日)
流山児事務所「花札伝綺」(作 寺山修司/演出 青木沙織/会場 スペース早稲田)☆☆☆☆☆
久しぶりのスペース早稲田。待ちに待った「花札伝綺」の上演です。元々好きな演目で、流山児事務所の公演も2001年、2003年と観に行きました。それぞれ1回しか観に行っていませんが、7年以上たった今でも挿入歌のメロディーが歌えるほど、心に残る作品でした。7年前は寺山の「書を捨てよ町へ出よう」の物語や野外劇・市街劇の要素も組み合わせた壮大な祝祭劇だったのですが、今回は純粋に戯曲「花札伝綺」に焦点を絞り、演出も流山児祥から青木沙織にバトンタッチ。より音楽劇・祝祭劇としてコンパクトだが密度の濃い内容になっていました。
2月19日(土)
「わが心の歌舞伎座」(監督 十河壮吉/ナレーター 倍賞千恵子)★★★★★
歌舞伎座さよなら公演の一年間の様子と、歌舞伎の名優たちのインタビューを収めたドキュメンタリー映画。3時間にも渡る内容ながら、全く退屈することなく見終えることができました。歌舞伎座、何度も通った劇場でしたが、いつも幕見席ばかりでした。一度くらい奮発して、一等席で花道を見とくべきだったなあ、と今更ながらに思いました。
隕石少年トースター「パペット・オン・ザ・パニック」(脚本・演出 山内直哉/会場 シアターグリーンBOX
in BOX)☆☆
TAKE IT EASY!「舞台版 千年女優」(原作 今敏/脚本・演出 末満健一/音楽 和田俊輔/会場 シアターグリーンBIG
TREE THEATER)☆☆☆
昨年急逝した今敏監督のアニメーション映画「千年女優」の舞台化作品。テラヤマ博でかつてないスタイリッシュな演出で寺山修司の「花札伝綺」を上演したピースピットの末満健一作品ということで、ずっと観たかった作品。初演は大阪公演のみで諦めたのですが、念願叶っての東京公演でようやく観れました。セットのほとんどない裸の舞台を5人の女優が疾走する。愛する人の元へと突っ走る千代子の姿を、まさに走り続けることで描く。デス電所の和田俊輔さんの音楽と挿入歌も素晴らしい出来。。
1月23日(日)
「時代劇映画史展 PART1 トーキー篇」(会場 早稲田大学演劇博物館)☆☆☆
「広場をつくる・広場を動かす〜日本の仮設劇場の半世紀〜展」(会場 早稲田大学演劇博物館)☆☆☆☆☆
これは久々に本当に来てよかったと思える展覧会でした。仮設劇場の歴史から始まり、唐組、黒テント、新宿梁山泊、維新派、水族館劇場、等々、野外公演をする劇団たちの記録。それは旅の記録でもある。特に「舞台上で進行する芝居の時空を観客一人一人が共有し、「同じ天を戴いている」関係であること喜び、宇宙を形成する」という「戯場国(げじょうこく)」という概念には感動しました。まさしくこの「戯場国」を体感したいがために、野外劇に足を運んでいるのだと思います。
「竹田団吾衣裳作品展2011」(会場 紀伊國屋画廊)☆☆☆☆
「時計仕掛けのオレンジ」(作 アンソニー・バージェス/上演台本・演出 河原雅彦/会場 赤坂ACTシアター)☆☆
1月9日(日)
Ugly duckling「凛然グッドバイ」(作 樋口ミユ/演出 池田祐佳理/会場 下北沢駅前劇場)☆☆
シベリア少女鉄道「もう一度、この手に」(作・演出 土屋亮一/会場 王子小劇場)☆☆
1月3日(月)
「新年工場見学会」(会場 アトリエヘリコプター)☆☆
渡辺源四郎商店工藤支店「大きな豚はあとから来る」(会場 こまばアゴラ劇場)☆☆