ちょっと時間潰しに『ブギーポップは笑わない』というのを観ようと、さる劇場に入りました。
ロビーに入ると、わたくしとモギリのおばちやん以外誰も居ません。
ああ、不入りなんだな、とか思っていると上映が終わったらしく、客席から漏れ聞こえる映画のテーマソングが止まりました。いつもならこの辺で観終わった観客がわらわら出てくるもんですが、何故か一向にその気配がありません。
不審に思ってドアを開けてみました。
…いない!誰もいないよ!
観客ゼロ!
自分以外は観客がいないという貸しきり状態は過去に何度か体験していますが、さすがに観客ゼロという事態はこれが最初でした。観客ゼロでも律儀にフィルムは回り続け、あの薄暗い空間に空しく物語を紡ぎ続けていたという…。それを考えると物悲しくもあり、恐ろしくもなって参ります。
なお、私のあとに数名の観客が続いて入り、貸しきり上映の刑は免れました。あの広くて暗い空間に独りポツンと座って映画と対峙するというのは、これはこれで結構不安を掻き立てられるものであります。
(2000年03月26日)