やぱし、何だかんだ言って人生で一番楽しいのは「前夜」だと思うワケですよ。唐突ですが。
明日に何か楽しい事を控えている晩は、もうそれだけで気分が無闇に高揚し、わけも無く部屋でソワソワしてしまいます。明日の楽しさを想像するだけでそれはもう辛抱タマランという感じ。実は明日も個人的に楽しみなイベントが控えてて、こうしてベッドにも入らずウキウキしているという訳です。
遠足で一番好きなのは、前の日にオヤツを買いに行く時。
学園祭なら、前夜祭。
旅なら、目的地に着くまでの車中。
深夜の台風情報。
正月よりも、大晦日。
日曜の朝より、土曜の夜。
映画を観る前の、劇場が暗がりになる瞬間。
どれのあとにも残るのは、祭りのあとの寂寞感。それを紛らわすために、つぎの祭りを求めていると言ってもいいでしょう。
…そうした「前夜」の持つ高揚感を描いた映画に、不朽の名作『ビューティフル・ドリーマー』というのがあります。
わたくしがこの映画をこよなく愛しているのも、ひとえにこの前夜好きという性向からでしょう。なにせこの映画、前夜が永遠に繰り返され、本番は永遠にやってこないという、前夜フェチにとってはユートピアのような映画なのですから!
夢のような話ですが、まあ夢ですね。いろんな意味で。
あすの今頃はわたくし浮かない顔をしてるかも知れません。
(2000年06月23日)