札幌郊外にむけて車を走らせること数十分。山の中のドライブウェイをくねくねしてるうちに到着。スコーンと嘘のように突き抜けた青空の下、目の前にはアホのようにだだっ広い草原が広がり、思わず車を乗り捨てて奇声を発しながら転がっていきたくなりますが、まあ落ち着きましょう。車でゲートをくぐり、墓と仏に囲まれた道を進んでゆくと、そこは霊園にあるまじき爆笑の光景が。
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青空とモアイ様
青い空、白い雲、緑の草原。そして立ち並ぶ巨大なモアイ像。ぶはははは!噂には聞いてましたがこれは凄い。霊園にモアイという取り合わせもさることながら、大自然の中にさも当然のように立ち並ぶモアイ様たちの唐突なたたずまいはアホらしさの極地です。
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荘厳なまでにアホらしい
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整然とお並びになられるモアイ様
近寄ってみましょう。ありがたいんだかありがたくないんだか、ひときわ高い台座の上にモアイ様は直立されておられます。像の脇には生花が飾ってあってちょっぴり涅槃風味。バックには1時間も聴いてると脳がカレー味になりそうなトランス涅槃ソングがBOSEのスピーカーからエンドレスで流れています。そして風上からほのかに香る線香スメル。いやあ世界広しと言えどもモアイ像をほとけさまと同じ文脈で扱っている場所はここだけでしょう。なんとなく怪しい新興宗教っぽい感じがしなくもありません。もしくは丹波哲郎の大霊界。
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たわむれる鹿(の像)をそっと見守るモアイ様
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腰掛けをお支えになられるプチモアイ様
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ストーンヘンジとモアイ様
あとは上空にUFOでもいれば完璧
そのモアイ像たちが深刻な顔で見つめている先にはこれまだダダッ広い草原があり、その中心にはなぜか実物大のストーンヘンジが。なんなんだここは。世界のミステリーゾーン展示場か。というわけでよくよく敷地内を見回すと、すみっこの方にミロのヴィーナス、エジプトの人頭有翼獅子像、法隆寺の四天王像などがひっそりとたたずんでてますます訳がわかりません。まあ石の文化にこだわってみました、という意志(シャレでなく)は感じられるものの、そのセレクションの中途半端さがヤケに味わい深いです。かと思えば道ぱたには「巨石の運びかた」という巨大な書き割りが立ってたりして、とにかく「何のために作ったか」という方向性が全く見えないにもかかわらずやたら金ばかりかかっているという、ほのかなバブルの残り香がそよ風にまう微苦笑スポット。何千年か後に未来の考古学者が頭を抱える光景が脳裏にうかびます。
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ストーンヘンジ内部でマドロスさんのポーズ
どうでもいいがやっぱりUFOが欲しいな
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「人頭有翼の獅子像」
なにげに頭の形が道祖神っぽい
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ていねいな解説つき
まあここの巨石は普通にクレーンで吊ったと思うが
なお、この日は墓地の展示即売会でしたが、なにげに車の列ができるほど沢山の人が集まっていました。どうでもいいがきみらこんな落ち着きのないところで永遠の眠りにつく気なのか。どうなのか。
(2003年10月26日)