みちのく独り旅(弐)

さて青森の微妙な名所を回る旅。続きです。


〜階段国道〜

津軽半島の突端、龍飛崎のすぐ近くにある狭い階段。なんとここは階段でありながら国道の一部として認定されているという珍スポット。なんでも役人が地図上でテキトーに国道計画立てちゃったら、実際は急な高低差があったために道路が通らず、仕方なく階段を作ってお茶を濁した…という感動の脱力物件。国道399号線からこの階段に至るクソ狭い路地も国道と認定されており、民家と民家のスキマやタダの階段の上にお馴染みの国道標識が立っているのは何かの冗談のようで面白すぎます。一応旅ガイドにも載っている隠れた観光スポットなんですが、アプローチ部分には近隣の住居の生活臭があふれており、そこをカメラ持ってウロウロするのは何か痴漢にでもなったかのような後ろめたさが。


〜キリストの墓〜

ゴルゴダの丘でハリツケになり死んだハズのキリストは実は生きていた!というわけで生き延びたキリストはなぜか日本に渡り106歳で大往生、その墓がここ青森にあるんだぜ。という凄い話です。が、肝心のキリストの墓はタダの土まんじゅうに十字架が刺さっただけのシロモノで、はるばる海を山を超えてきた身としては疲れた身体に脱力感がここちよいリラクゼーション物件。ただし隣接する資料館は展示が充実しており、けっこう楽しめます。


〜日本一の自由の女神像〜

ここ百石町はニューヨークと緯度が同じ。だったら自由の女神を作ってしまおう、というダイレクトな発想のもと、あのふるさと創成資金を使って作られたのが実物の1/4スケールのFRP製自由の女神。こんなアホなことに貴重な税金を突っ込んでいたとは…と改めてバブル憎しの思いがつのる逸品。とにかく周囲の落ち着いた田園風景との調和のなさにはついニヤ−ッと微苦笑が漏れます。まあFRP製なので腐食することもありませんし、あと1万年ぐらいしたら謎の遺跡として名所になっているかもしれません。


以上、秋のドライブと称して路上の水子物件を鑑賞して参りました。こんな味わい深い物件が路上にゴロゴロしていたとは…日本もまだまだ奥が深い。深すぎる。


(2001年11月04日)