えー現在のアメリカのラッパーといえばもうブッチギリでミッシー・エリオットなわけです。アメリカのブラック・ミュージックは男ならマッチョ、女ならムチムチというたいへん分かりやすいセクシー路線が主流の中、この人はそういうセクシュアリティとは無縁の堅太りした肉体とドスの効いたツラ構えである意味物凄い存在感。音楽は現在メジャーにおける最先端と言われ、出すアルバムも次々話題にという勢い。
この人ね↓
というわけでこの人がニュー・アルバムを出したんですがファーストシングル"Pass That Dutch"のビデオが凄い。爆笑。つか私も途中からしか見てないんですけど、セピア色の古めかしい画面にそびえるエンパイア・ステート・ビル。その上で巨大なミッシー・エリオットがキングコング立ちでラップをかまします。当然周囲には飛び交う戦闘機。いやあこの絵ヅラ考えた人は天才だ。しかも何と言うか、しれっとトボケた雰囲気がまたおかしい。
もともとこの人はビデオにおいてはろくろ首になってみたり、大量の蜂にたかられてみたり、大口あけて車を飲み込んでみたり、子供の身体に自分の首を合成してみたりと、自分の身体を怪物っぽく見せるのがお好きなかたでしたが、今回のはそのキワメツケといえましょう。現在のメジャーな音楽シーン(特に商業ベースの)において、この人の体型は明らかにマイナス要素なわけですが、そこを逆手にとってというか、開き直ってというか、次々と己の肉体をネタにおもしろ映像を作り続けるこの人はたいそうイカスぜと思うのでした。
(2003年11月24日)