双葉十三郎先生の「ぼくの採点表 1970年代版」というごっつい本をゲットしました。ちょっと値が張るのでレジの前でドキドキです。
某「スクリーン」誌を読んでおられる方ならお分かりでしょうが、同誌の名物連載をまとめあげたもので、足掛け50年(!)にわたる連載(現在も継続中)のうち、1970年代に日本で公開された洋画の批評を点数付きで収録しております。
スゴイのは当時日本で公開されたほとんどの洋画を網羅していることで…A級、B級はもとより、だれも見向きもしないようなZ級映画まで網羅。観ていないのは洋ピンぐらい。とはいえそれが有名監督の無名時代の仕事だったりするとチャンとチェック入れてたりするわけで、そのマメさにはすばらしいプロ根性を感じます。『暗殺の森』と『アンジェラ・マオの女活殺拳』が同じページに載っている映画評なんてちょっと他に無いッスよ。ええ。
「1970年代版」とうたってるからには、当然50、60年代や80年代、果ては戦前に至るまでのレビューがある訳で、そちらの方にも手が出そうな雰囲気。一人の人間がこれだけの長期に渡って同じフォーマットで書き続けたレビューなんてのは他にないですもんねえ。
4、5回飲みに行くのを我慢すりゃ全巻揃うか…。
(2000年02月22日)