血肉

札幌はいきなり雪ですぜ。
なにかの冗談かと思いましたよ。


さて知人の頼みでアナログディスクをMDに落とし込むなんてことをやりました。LPから録音するなんて中学生のとき以来ですよ。


あのころはレンタルレコード屋(友&愛ってまだあんのかなあ)で借りたレコードをカセットテープに録音して、テープのインデックスもちゃんとインスタントレタリングで綺麗に書き、あまつさえ曲名をノートにきちんとメモし、ひどい時は歌詞までノートに写していたという、今のズボラな自分からは全然想像もつかない情熱の注ぎかた。さすが中学生男子の童貞パワーはひとあじ違いますな。


で、そういうことを久しぶりにやってみたんですが、これがまあメンド臭いこと。なんせレコードですからね。ちょっと台に足をぶつけたりすると「ブヂッ」なんつって針が飛ぶわけですよ。となると初めから録音やりなおし。会社の機材でやってますから脇を結構人が通る訳で、いつ針が飛ぶかも知れず録音中は機材に付きっきりでモニターしなくちゃいけません。さらにA面が終わったらひっくり返して、なんてのはメンド臭いのを通り越してなつかしくすらありました。


でも、中学生だった時のように膨大な情熱を注いで聴いた音楽は、思い入れがこもる分忘れがたいものになるもんスね。音トビを恐れてじっとモニターしている時間は、そのままその音楽をじっくりと聴きこんでいる時間でもあるのです。そうして聴いた音楽は骨身に染み込んで、血肉となり、いまだにあの頃のテープを捨てられないわたくし。


(2000年10月16日)