ゾンゲリアのゾはゾンビのゾ。という訳でアメリカの片田舎の住民が、ノコノコやってきた旅人を取り囲んではボコにして殺すんですが、その後こんがり焼かれて死んだはずの人がいつのまにかガソリンスタンドで元気にバイトに励んでいたりするので保安官はビックリして捜査します。ここで検死官兼葬儀屋兼エンバーマーという十徳ナイフみたいなじじいが登場。うっとりした目で「死体は美しい」とヨタを飛ばしてあからさまな怪しさを放つ一方、捜査の役には全く立っていないのが可憐です。
その間にも「目玉に注射針ブッスリ」「鼻から硫酸注入」など殺しはとめどなく続きます。しかも殺された人はよみがえってウーラウーラと殺しの運動会に大参加です。そんな事とは知る由もない保安官は苦悩の塩漬けみたいな顔して悩み、あげく美人の奥さんに当り散らしたりしますが、奥さんのタンスから「ブードゥー教入門」という本がヒョッコリ出てきたりして余計悩みます。
この保安官、あちらでムム、こちらでアアと基本的に悩んでいるだけなので捜査はちっとも進展しませんが、最後だけは頑張って他人の墓をあばき犯人を突き止めます。何と犯人は冒頭から怪しさ丸出しだった葬儀屋でしたよ。まるで何かの懸賞とかによくある
○の中に文字を入れて送ってね! ○○・コーラ ヒント:スカッとさわやかコカ・コーラ |
…というサル並の知能があればオッケーなクイズのようです。結局このジジイが死体をいじくって生き返らせていたということでしたが、生き返らせて何をしたいのか、生きかえった方もなんで人を襲うのか、サッパリ明らかにされないまま保安官はブチ切れてジジイを射殺します。その後死にかけたジジイが自分に電流を流して自らゾンビの仲間入りする姿が感動的です。
こういう内容の映画ですが、実は陰鬱なムード漂う佳作って感じでしたよ。あと最近えらいこと評判になったある映画と全く同じオチが炸裂。こっちが20年早かった!
(2000年08月24日)