ゆうばりファンタのオールナイトに行って来ました。宿はとらずに映画だけ観て帰ってくるという我ながらバカンな行為ですが、同じことを考えている人は結構いたようで、行きのJRから帰りのJRに至るまでどこに行っても顔を見かける人がいたりして、とても他人とは思えませんでしたね(ちなみに女性でした)。
会場はいかにも映画好きな感じの方々が詰め掛け、深夜の上映にしてはまずまずの人出でしたが、プログラムが消化されてゆくにつれてドンドン人がいなくなるのは何か八甲田山死の彷徨を見ているようで愉快でした。では観た作品について、順番にコメントをば。
まず最初は『蛇女』。佐伯日菜子主演の邦画です。いや、初手からいきなり超ド級の地雷でしたよ。全観客大弱り。会場に充満するやり場のない怒りに上映後は暴動でも起きそうな雰囲気でした。話が壊滅的にいい加減な上に、助演の女優さんの気違い演技の浅さが不快を通り越して失笑を誘います。ラストはいきなり佐伯日菜子が脈絡なく大発狂、2人の女優さんが奇声を発しながら気違いファイトを繰り広げる脇で石橋保がタンクにはまってブツブツ言ってるという激しい精神攻撃。ザ・ハラスメント。あまりにもヒド過ぎて観るのがいたたまれなくなる映画でした。事前の舞台挨拶で監督と佐伯日菜子が明るく挨拶してた事もあり、さらにいたたまれなさ倍増。こんなに観るのが辛かった映画は久しぶりであります。
続いて『ゴッドandモンスター』。ゲロを吐きたおしたあとに飲む水のような清涼感にあふれた映画でした。とは言え『蛇女』との対比を差し引いても結構いい映画だったと思います。ブレンダン・フレイザーがいいんだコレ。『ハムナプトラ』のバカンな青年のイメージしかない彼でしたが、じつは結構演技派なんですね。内容は、実在したゲイの老映画監督の晩年の話。主演のじいさんもかなり上手いです。ちょっと泣きました。
ある意味もっとも期待がかかる『コモド』。期待に違わず、っていうか期待以上。あまりのバカぶりにその筋のファンは狂喜です。なにしろ開巻から3分に1度は「なんやソレ!」と関西弁で突っ込みを入れずにいられないシーンが続きます。初めから終わりまで納得のゆく要素が何一つとして存在しないというボケの高速連射。そういう意味で死ぬほど楽しいです。この映画。
肝心のコモド君は結構凶悪でそこそこ怖いですが、それよりも突っ込みの方に熱中してしまうのでこの手の映画のクセに異様に存在感が薄いです。あと人間様がキャーキャー逃げまどいながらコモドを石もて殴り殺すシーンが愉快でした。
最後に『SOULS 死魂』。もう時間は明け方です。トラウマに悩まされる女性の話なんですが、途中ウトウトしてしまいました。この時間帯にこんな迷宮みたいなややこしい映画を上映する方が間違ってるよな、とかちょっと思いました。内容はあの映画やあの映画に似てますね。ネタバレになるので何かは書きませんけど。
…いや、それにしても立て続けに4本はキツかったですね。あと会場の座席が座りごこち悪くて、ケツの痛みと戦いながらの鑑賞になってしまったのは参りました。
(2000年02月19日)