えーこれは観とかんといかんだろう、という謎の義務感から『トリプルX』観てきました。では感想。
感想1)
そもそも『トリプルX』というタイトルでスパイ映画、というからには『007/私を愛したスパイ』からのスピンオフなのか!バーバラ・バックみたいなエロい女スパイがぴちぴち大暴れしたりするのか!それは大変だ!でもなぜ今?と思ってましたら、予告編に出てきたのはスキンヘッドの間違えようのない巨漢でまあ早とちったのはわたくしだった訳ですが、それはそれとしてもこの映画は007を相当に意識してますなあ。冒頭からして、蝶ネクタイの紳士系エージェントを登場させ、さらにそれをあっさり殺してしまうあたり、ジェームズ・ボンドに真っ向からケンカ売っとるのう、と思わせます。
感想2)
その主人公はスキンヘッドにタトゥーのアウトロー風味。趣味はバイクに車にスノボという体育会系。これがCIAに拾われてシークレット・エージェントにジョブチェンジ。という基本設定も007と正反対で対抗心がありあり。主人公のXことザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)はムキムキの身体に溢れる男臭でエレガントさとは激しく無縁です。
感想3)
そんなこんなでアンチ007として独自の路線を爆走するのか…?と思いきや、それ以外の要素は何ごとも無かったかのように007とおんなじでオロロ。秘密兵器がガンガンでてきたりとか、ちゃんと秘密兵器開発要員がでてきてXと絡んだりとか、ボンド・カーならぬザンダー・カーもお約束のように出てきますしああもう。敵もアウトロー系の極悪マフィアかと思いきや、地下に秘密基地なんか作って大量殺人兵器を建造してたりするあたりが余りにも007的。タイトルバックも裸のおねいちゃんこそ出てきませんがモロに007調。なんか喧嘩売ってるというよりは丁寧にパロディにしてる感じが否めません。
感想4)
というわけで、硬派なアンチ007と思いきや、オールドスクールなスパイ映画を今風に焼き直した感じは否めません。続編の製作が決まってるそうですが、そういう基本に忠実なところをどんどんハミだして行かないと、アッと言う間に飽きられるような気がしますが、どうか。…あ、でもアクションはとても良かったです。雪崩に追い掛けられながらスノボで滑るシーンなど、凄い迫力でした。
感想5)
一部で話題のアーシア・アルジェント。御存じイタリアン変態ホラーの巨匠ことダリオ・アルジェント親方の娘ですが、個人的にはこの人には女としてピンとくる部分をいっこも感じなくて、あんなにエロい格好しているのになんで…と自分でも不思議でしたが、やはりこれは父親と顔がソックリ過ぎるのが原因でしょう。
(2002年11月06日)