ウォーターボーイズ

えー話題の男シンクロ映画『ウォーターボーイズ』を観てきました。

あああ何だろうこの甘酸っぱさは…。なんだか高校とか中学のワカゾー時代に戻されたような感じ。そうだよわたくしも昔はここに出て来るワカゾーたちのようにバカやったりはしゃいだりしてたもんだよ…と思わず回る思い出のメリーゴーランド。かなり鮮明に学生時代の気分を思い出させてくれるこの映画、非常に優れた青春映画であります。


そしてこの映画、コメディとしてもかなりの傑作。この矢口史靖と言う監督さん、マンガチックな間でギャグを見せる、というのが持ち味で、ギャグ漫画のコマ割りをそのまま絵コンテにしたらこうなった、みたいなテンポの良い間でギャグを盛り込んでゆきます。前々作『ひみつの花園』あたりではまだまだ未消化な感じでしたが、今作ではかなり洗練されてきてますね。中盤の伊勢佐木町ブルースのシーンなど、爆笑。私が観た劇場では観客は中ぐらいの入りでしたが、笑い声はドッカンドッカン起きてましたね。


役者もそろって好演。ちゅーか、ワカゾーたちはけっして芸達者な感じではないんですが、適材適所の妙っつーか、キャスティングが上手いおかげで拙いのもあまり気にならないのがナイスです。竹中直人は相変わらずの怪演、ちゅーか余りに怪演過ぎてちょっと浮いてる感じがしないでもないですが…。その他、恐い先生役の杉本哲太や新任教師役の眞鍋かおりも絶妙のキャスティング。素材の旨味を活かした料理といえます。


個人的に絶賛しておきたいのが後半にでてくる委員会3人娘。ジミ可愛いメガネっ子というキャラクターもさることながら、慣れない男どもの前で緊張してトチりつつ喋るさまがういういしく、「いたいた!いたよーこんな娘!」って感じでデジャ・ヴ大発動。アンタってわかってるYO!と監督にはヒップホップのポーズでリスペクトを捧げたい。


ゲラゲラ笑えて、最後ではじんわり胸が熱くなる傑作。こういうのがあるから邦画は侮れねえ。今年のベスト候補。必見です。


(2001年10月11日)
ウォーターボーイズ
2001年 日本
監督:矢口史靖
出演:妻夫木聡 平山綾 竹中直人