仕事してたらいきなり原因不明の発熱が。しかも38度とか妙に景気のいい数字。もももももしやこれは現在お流行りになられているところのインフル某では!とビックリしてその日はストトと家に帰り横溝正史を読みながら床に臥せっていたのですが、夜中になって『病院坂の首縊りの家』をまるまる読み終わるころには何事もなかったかのように引いてしまった熱。なんなんだ。悪いものでも食ったのかオレ?と自問自答するもサッパリ原因不明。まあこんな感じで生きてます。
さて熱も引いたことですし、と思って DVDにて『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(スペシャル・エクステンデッド・エディション)』を鑑賞。劇場で観た際には、とにかく話についてゆくのが大変で、じっくり観たという感じではなかったんですが、さすがに二度目ともなると余裕が出てきます。というわけで細部など舐めるように味わいつつ観た訳ですがいやあこりゃすげえ。実にようでけとる。CGキャラのゴラムなんかは感動のあまり金魚のように口をパクパクしてしまう驚きの仕上がり。こんな長尺の(DVD版は4時間近い!)映画なのに、なにゆえ細部をここまで細やかに作り込むことができるのか!それはもちろんビバ資本でありそれに裏打ちされるところの炸裂する人海戦術なのでしょうが、それ以上に感じるのは「凄いもんを作るぜ!」という意気込みであり、「トコトンやったるで!」という気合いであります。そういう底知れない情熱と、最先端の技術と、最大級の資本とが実に幸福な出会い方をした、滅多に観ることのできない贅沢な映画。完結編の『王の帰還』はこれから観るわけですが、間違いなくアカデミー作品賞と監督賞とをゲッツするであろうことが観もしないうちに確信できてしまうという恐るべきシリーズ。こういう映画をリアルタイムで体験できるということは大変に幸福なことだと思います。
唯一の心配。フロド役のイライジャ・ウッドは果たしてこれを超えるハマリ役を見つけることができるのか?アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンは?レゴラス役のオーランド・ブルームは?これはそんな杞憂が思わず漏れてしまうような役者の輝き方と言えます。余計な心配とは思いますが。
(2004年02月14日)