THE JUON/呪怨

えーとちょっと前なんですが『THE JUON/呪怨』見てきました。こちとら最初のビデオ版二本も劇場版二本もちゃんと押さえてて、かついずれも面白怖く観た者なのでハリウッドリメイク版の本作には期待半分心配半分でしたが、ちゃんと怖く面白いものになっているので安心安心。というか上映中は常に怖い場面にさらされ続けでたいへんですよこの映画は。内容としてはこれまでのシリーズの集大成といって良いと思います。歴代シリーズにおけるイヤ度の高いシーンを上から順番に詰め込んで行ったベストオブ呪怨の趣き。内容も、これまで断片的に語られていた呪いの家のバックグラウンドを明確に描いて「ここでいったん整理しときましょうか」という感じで非常に判りやすい。


どう転んでも怖い題材とストーリーとディティールですので、あとはしっかり撮るだけで爆裂に怖い映画になってしまうという恐るべき内容だと思います(ただし、人によっては全然怖くないどころか、爆笑の発作が起きかねないというところが深い。人間の心理って面白いなあ)


他には、ハリウッド映画ということで、「日本人がハリウッドで日本を舞台に映画を撮ったらどうなるか」という命題への最初の答えが示されている映画だという事も覚えておきたいところです。結果は、物凄く身近な風景が、ハリウッドというフレームに切り取られる事によって、身近な感じを残しつつもどこか違う位相へと転移してしまうという、まあそれ自体はこれまでも日本を舞台にしたハリウッド映画であったことですが、それが日本人自身の手によって行われたことで、これまでにない不思議な立ち位置を獲得した映画になったと思います。


(2005年03月04日)
THE JUON/呪怨
The Grudge
2004年 アメリカ/日本
監督:清水崇
出演:サラ・ミシェル・ゲラー ビル・プルマン 石橋凌