『ザ・セル』観てきました。
意識不明の連続殺人鬼の精神にサイコダイブ、行方不明の被害者の居所をさぐる、というお話。売りは耽美とグロの同居した精神世界のビジュアルで、ロマネスクとゴシックと現代芸術の3色ふりかけがあなたを襲います。この精神世界の描写の病み具合がポイント。不快なほどグロテスクなんですが撮り方は徹底的にスタイリッシュ。パースの狂った構図やフレームが飛ぶ映像も「夢の中」って感じでたいへん結構でした。
この精神世界に入り込んだヒロインと刑事が殺人鬼の方からどえらい目にあわされます。途中刑事くんが拷問されたりしますがこいつぁ痛い。思わず腹を押さえて前屈みになる痛さ。観てるこっちが爆裂に痛い拷問ということで『マラソンマン』の歯への拷問と双璧です。ネタはバラシませんので未見のかたはどぞたっぷり痛がってください。
とまあ犯人の精神世界で手掛かりを求めてそのような苦労を重ねる刑事くんでしたが、結局被害者救出の手掛かりは思いきり現実の事件現場から出て来るので何だったんだ一体。結局地道な捜査が一番ってことですかトホホ。
(2001年04月07日)