処刑人

『処刑人』。


なんじゃこりゃ!


なんだかボンクラ男の正直すぎる勧善懲悪主義が爆走、悪はドンドン殺してもよいのですバキューンバキューン!というシンプルかつデンジャラスな思想が炸裂する一本。『バトル・ロワイアル』がアウツなのにこの映画がセーフとはあーたの目は節穴ですか某民主党議員!いやまあそれはいいのですが、怨恨も義理人情もなく、ただただ宗教的使命感のみにかられて殺戮をくりかえす主人公2人の姿には痛快さよりもヤバさが先に立ってしまいます。


…とまあ観ているあいだじゅう何か釈然としない思いに囚われっっぱなしの映画だったんですが、見どころはウィレム・デフォーの大怪演。腕利きのFBI捜査官の役ですが、処刑人2人に感情移入する余りに事件の模様を妄想スレスレの電波度で髪ふり乱して自ら再現ドラマ(踊り付き)。あと持ち前のゲイ趣味を生かして女装し潜入捜査、本職のゲイの方が五億光年の彼方にカスむ激しいクネクネ痴態に劇場内の皆様は確実に凍り付いていました。デフォー親父、めちゃくちゃ楽しそう。アッパレです。


(2001年02月25日)
処刑人
The Boondock Saints
1999年 アメリカ
監督:トロイ・ダフィー
出演:ショーン・パトリック・フラナリー ノーマン・リーダス