今日は『パーフェクト・ストーム』を観に行こうと出かけたのですが、気がついたら何故か『TATARI』の劇場に入ってしまってたので人間なかなか深層心理には逆らえないものだなあとひとり感動を新たにしましたよ。
さて『TATARI』です。ロバート・ワイズの古典『たたり』のリメイクが『ホーンティング』でしたが、ウィリアム・キャッスルの『House On Haunted Hill』のリメイクがこの『TATARI』という錯綜した事態になっています。タイトル通り古い建物で昔の怨霊がじくじく腐っているという内容でしたが、何かの間違いのように怖く無かったです。やっぱり『ホーンティング』同様、即物的な描写に凝り過ぎると恐怖を盛り上げる演出がおざなりになる模様。
しかし描写にけっこう病的なものがあったので、そこは買いでした。ダリオ・アルジェントや『ヘルレイザー』から影響を受けてるんではとおぼしき部分もあってマニア受けは良さげな感じ。
とは言え見事なまでに怖く無いのはちょっと閉口でしたねえ。隣で観ていた中学生の群れ(どうやら集団デート中らしい)に感想を聞いてみたかったです。ちなみに一番怖かったのは、客席のドアを開けたら目の前に立っていた血まみれのマネキン人形でした。てめーマジでビックリしたじゃねーかよー変な洒落ッ気おこしやがって!しかも幕間の場内には映画とは全く関係のない怪談CDが延々と流れていたので劇場の熱いサービス精神にはいたく感動した次第です。
(2000年08月12日)