スペース・カウボーイ

じじい版アルマゲドンという微妙な評判を耳にしてましたが、それほどヒドくなかったです。とにかくジジイども!良すぎ!基本的に「ワカイノにはまだまだ負けんよガハハ」とジジイ発奮がこの映画の軸な訳ですが、その発奮のしかたが全然肩の力抜けてて、飄々としてて、ワカイノのおちょくりも余裕のジョークで受け流したりして、その余裕タップリな感じがとてもいいです。まあ70とか60とか宇宙旅行には微妙なお年頃ですからちょっとランニングしたりすると「ハヒー」と息も絶え絶えになり、まがった腰をボッキリまっすぐにしてまたヨタヨタ走り出したりしますが、全然悲愴感がなく(いい意味で)、ああわたくしも歳をとったらこういうジジイになりたいものだなあ、特に70越しても手当りしだいに女を口説きたおすドナルド・サザーランドのように。とか思いました。


前半のジジイどもの頑張りがすごく良くて、シャトル打ち上げのシーンなんかはヤケにウルウルしてしまうんですが、そこから先はジジイがタダの若者と同じ普通の乗組員になってしまうので途端にフツーの映画になってしまいます。全編あの飄々とした感じで突き進んでたら、ラストシーンなんか号泣モノの名場面になってたんじゃないかと思いますが。


(2000年11月09日)
スペース・カウボーイ
Space Cowboys
2000年 アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド トミー・リー・ジョーンズ