サイン

えー、というわけでやっと観てきました『サイン』。巷では賛否両論あるようですが、わたしゃ賛の方に1票。『シックス・センス』みたいな大ネタを期待すると恐らく大肩透スカシでしょうし、ピンと来ない人にとっては「ナニこれ」の一言で済んでしまう映画かも知れませんが、それでも讃えておきたいのは全編にあふれるツボを押さえた恐怖演出の数々。抑制の利いたタッチながら、「闇に潜む何者か」「ドアの向こうに居る何者か」を強烈に想像させ、恐怖を煽ります。


内容については、これはもう余計なことは言わん方がよろしいかと思うので、各自劇場で確かめてみてください。敢えてちょっとだけ言っておくと、(以下微妙にネタバレ)


これは「偶然」について描かれた映画です。偶然起こった何かの事象について、それを単なる偶然として片付けるか、それとも偶然の奥に何らかの意味を見い出して、それを信仰の礎とするか。さらに言うなら、仕組まれたとしか思えないような物凄い偶然に出会った時、人間はそこに何か人智を超えた存在の意志を感じて、それが信仰心の原点になるのではないか。これは「偶然」という事象を、こういう切り口で捉えた映画です。


いやあ結構好きなんすよね、こういう話。確かにトンデモな側面はないでもないですが、まあその辺は些末な問題だと思います。


(2002年10月05日)
サイン
Signs
2002年 アメリカ
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン ホアキン・フェニックス ロリー・カルキン