陰陽師

『陰陽師』観てきました。


感想1:
安部晴明=野村萬斎、というキャスティングは近年稀に見るヒット。腰のすわった発声、しなやかな身のこなし、物の怪じみた眼光など、雰囲気たっぷり。「狐と人間のハーフ」という晴明の出生の噂も、この顔ならそうかもと思わせるお狐フェイスで説得力があります。


感想2:
他の男優陣もそろって魅力的です。源博雅の伊藤英明は、最初聞いた時は「えええ…」と思いましたが意外にハマリ役。何より「すげーイイ奴」という博雅のキャラをかなり天然風味で演じており好感がもてます。あと悪の陰陽師を演じた真田広之も「せぇ〜めぇ〜!」「みかどぉ〜!」語尾を伸ばしまくって怪演。野村萬斎もふくめて、このメイン3人には妙な色気がありますね。晴明と博雅の抱擁シーンなど、特定の趣味の婦女子の方々が身をよじりそうな妖しさ。


感想3:
そんな男優陣の頑張りが光る一方、かなりキッツイのが女優陣。厚化粧して頑張るも容色の衰えが否めない小泉今日子。しょぼい鬼のメイクが痛い夏川結衣。そして蜜虫役の今井絵里子に至っては「ホントは上原多香子を呼んだのに間違ってコイツが来たのでは…」という疑念すら。


感想4:
しかし、日本映画で派手なCGエフェクトがでてくると、 どれもこれも『大霊界』に見えてしまうのは一体どういうことか。


感想5:
なにげに萩原聖人が出てましたが、どういうわけか顔がパンパンに腫れ上がっていたのでだれだか判らなかったよ。太ったな、聖人!


感想6:
とまあ、悲しみの女優陣とかピリッとしない特撮とか欠点はいろいろありますけど、一通り楽しめて観られましたし、男優陣の魅力で最後まで魅せてくれる映画っちゅーのは最近の邦画じゃ貴重です。野村萬斎の続投で続編を激しく希望。


(2001年10月20日)
陰陽師
2001年 日本
監督:滝田洋二郎
出演:野村萬斎 伊藤英明 今井絵理子