猫の恩返し

さて『猫の恩返し』観てきました。


昨年の『千と千尋の神隠し』が傑作でなおかつ凄まじいヒットになっただけに、色々期待がかかるトコなんですが、実際に出てきたものは牛ロースのあとのキムチといった感じの小品。すると併映の『ギブリーズ』はオマケのガムか。いやまあそれはいいのですが、まあキムチだけでお腹は一杯にならんよ。ということで、印象としてはとても可愛いファンタジーという感じでしたけど、内容は毒にも薬にもならなくて食い足りなさは否めません。これは75分という上映時間の短さとはさほど関係がないように思われます。


実は最後の活劇シーンで寝ちゃったんですよ。この映画全般に言える欠点ですけど、ひとつひとつの描写が平板で、吸引力に欠けるという…。そこに限らず、とにかく毒のない映画で、宮崎駿の猛毒が回った日本の観客にはかなり物足りないんじゃないかと心配です。


あ、でも声優陣はなかなか健闘。池脇千鶴は結構上手いし、丹波哲郎も快演、つーか怪演。個人的にいいなあと思ったのが慇懃無礼な手揉みネコを演じた濱田マリ。クレジット見るまで気が付きませんでしたが、いい味出てました。


(2002年08月20日)
猫の恩返し
The Cat Returns
2002年 日本
監督:森田宏幸
出演:池脇千鶴 丹波哲郎 岡江久美子