幼少のみぎりより気になっていたこの映画『地獄のモーテル』。タイトルからして唸るようなC級テイストが炸裂してます。モーテルのガイキチな兄妹が夜な夜な人をさらってきては薫製にして、「百姓ビンセントの特製ベーコン」と庭のミミズが大騒ぎするような大ウソを奮発、売り出したところこれが絶品との誉れを受け、イイ気になった兄妹は凄まじい勢いで誘拐劇をリフレイン。さらわれた人は畑に首だけだして埋められ、喉笛かき切られて声が出ないようにされ、クルクルパーになる光線を浴びさせられたりするので災難の極みです。
…と書くとゴアなホラーのような気がしてきますが、恐怖を盛り上げる演出がことごとく牧歌的なので制作者の意図しないところでブラックコメディと化しています。この映画、何の加減か80年代初頭に日本で劇場公開されていますね。ちょうど『13日の金曜日』でスプラッタ・バブルが起こっていた当時の公開。流行りというものは凄いものです。
(2000年07月21日)