『man-hole』という新作映画を観てきました。といっても北海道に住んでいる方以外にとっては何のことやらだと思われますが、ここ北海道で絶大な人気を誇るタレント、鈴井貴之が企画・監督したチョー地域密着型映画であります。
全編札幌ロケだけあって、出て来る町並みがどいつもこいつも見覚えあってなんだか不思議な感じ。っていうかモロ近所だよーウチから歩いていけるよーココ的なご近所感覚があろうことかスクリーンで展開されており、こんな甘酸っぱい気持ちは『ガメラ2』で札幌狸小路商店街がゴスゴス破壊されるのを観たとき以来です。
余談ですがそのとき観てた劇場が他ならぬ狸小路にあり、「ああ今ガメラがここを…」と妙な陶酔感に包まれたりしましたがホントに余談だなコレ。
えっと内容は現代人の抱えるコミュニケーションの断絶問題とか、人と人との適切な距離って一体どのくらいなんだコラとか、まあそういう内容で表現はやや紋切り型に落ちるキライはあるものの、ちゃんと痛いトコロも逃げずに真正面から扱ってて好感がもてます。主演は安田顕。札幌ローカルの役者さんですが、日頃TVで着ぐるみ着たり酔っぱらって暴れたり裸になったりしていたのが嘘のように端正な役者ぶり。生真面目な新米警官を的確に演じておられます。これは演技力はもちろんのこと、それ以上にキャスティングの適切さによるところが大きいんじゃないでしょか。ビバ適材適所。
地元印の映画なもんで、どうしてもひいき目でみてしまいますなあ。あととても良い意味で自主制作っぽさが横溢していて、そこに作り手の情熱が垣間見られてまたほんのり甘酸っぱさが。これ東京あたりで上映したらどういう反応が返って来るのか、ちょっと気になりますね。
(2001年03月26日)