えーこれもちょっと前に観たんですが『リーグ・オブ・レジェンド／時空を越えた戦い』。１９世紀のロンドンで突如勃発する超近代兵器を使った謎の略奪事件。裏ではどうやら世界征服を目論む怪人ファントムが暗躍している模様。というわけでこれを討伐するべく集められたのは「キング・ソロモンの秘宝」のアラン・クォーターメイン、「海底二万哩」のネモ船長、ヴァンパイア、透明人間、ジキル博士、トム・ソーヤー、「ドリアン・グレイの肖像」のドリアン・グレイという超絶紳士同盟。又の名をロッカーの上の学級文庫チーム。こいつらが己の能力をプルプル発揮して憎きファントムに追い込みかけちゃる！オラオラ！というファンタジー冒険ロマン。


というわけで実は娯楽映画の黄金パターンである「７人もの」だったりするわけです。話はどってことないのでおいといて、今回はキャラクターに関するコメントをば。


アラン・クォーターメイン。まあこのキャラを演じられる人はこの人しかいないであろう、というわけで相変わらずの精力ビンビンじじいことショーン・コネリーが好演。以上。言うことなし。どうでもいいですがもし続編が作られるとして、この人がいったいどういう形で登場してくるのか非常に気になります。まあ理由は映画を観て下さい。


ネモ船長。（ナセールディン・シャー）。えらく華のないオッサンだなあ、とか思ってたらいきなりものすごい潜水艦「ノーチラス号」を持ってるわ、アクションシーンでは刀ブンブン振り回しのクンフー炸裂キャラだわでどうなんでしょうこれは。ちなみにこのノーチラス号、全長が200mはあろうかという超巨大船ですが、この小回り利かなさそうな船体であの狭いベニスの水路に突っ込んでゆくのでやたらハラハラしました。おまえどうやって曲がる気だ。そのへん端折ってあったがまさか曲がらずに気合いでまっすぐ進んだのではなかろうな。


ヴァンパイアのミナ・ハーカー夫人。（ペータ・ウィルソン）。とてもうまそうに敵の首から生き血をおすすりになるさまが大変エロいです。ピンチ時にはコウモリを売るほど召還して凄い勢いで空を飛びます。顔とかナマス斬りにされてもあっという間に治ります。けっこう便利だな。まあそれはいいのですが、ヴァンパイアの身でありながら劇中ノーチラス号のデッキ上でのびのびと日光浴をしておられたのは果たしてアリなのか。


透明人間のロドニー・スキナー（トニー・カラン）。まあ透明なので存在感はアレですが、本人の「いやあタマがぶらんぶらんして結構爽快だぜ」という台詞に代表される性格と、姿が見えない無気味さからチームメイトにキモ男扱いされ、挙げ句裏切り者の疑いまでかけられてボコにされかけたりします。しかし実は今回のMVPと言ってもよい人物で活躍に次ぐ活躍。はっきり言って後半戦はこいつが居ないと成立しなかったという充実のキーマンぶり。しかしやはり姿は見えないのでうっかり味方に火だるまにされたりします。不憫です。


ジキル博士（ジェイソン・フレミング）。ある意味この人が一番元ネタからかけ離れてると思われます。もともと薬品で二重人格になるという設定のはずが、今回は薬品でムキムキの筋肉バカに豹変するという設定に大胆アレンジ。しかも変身後の状態が超人ハルクにゴリポン君を融合したような十円ハゲの似合う代物で、筋肉もムキムキを通り過ぎてゴテゴテというフリーキーきわまりないキャラになっており、原作者のスティーブンソンが観たらパイプからシュポポーと煙をはいて激怒必至の変貌ぶり。ストーリー上は当然のごとく力仕事担当です。


トム・ソーヤー（シェーン・ウェスト）。なんでお前がここにおる。と万人につっこまれるであろう登場の必然性ですが、まあクォーターメインと疑似親子ドラマを繰り広げる都合上、こういう未熟な若者キャラは必要不可欠だったのでしょう。しかし成長してCIAのエージェントになるたあ成長したなトムや。立派になってばあちゃんもさぞ喜んでおることじゃろうて。


ドリアン・グレイ（スチュアート・タウンゼント）。って誰だあんた？と思った私は学がなかった。オスカー・ワイルドの幻想小説「ドリアン・グレイの肖像」に出てくる不老不死の男だそうでへぇーへぇーへぇーへぇーへぇー（５へぇ）。不老不死の秘密も含めて今回一番ミステリアスな男であります。スチュアート・タウンゼントはおなごに人気の出そうな陰のある紳士っぷりでなかなかよろしい。ちなみにこのひとのお父さんはピート・タウンゼントですがザ・フーのギタリストではなくプロゴルファーだそうでへぇーへぇーへぇーへぇーへぇーへぇーへぇー（７へぇ）。


…まあストーリー的には大したことのない映画でしたが、このようにキャラが結構立っているのでそこそこ楽しめました。細かい部分はさておき、この手の雰囲気がお好きなかたには割とオススメであります。


（2000年11月01日）