さて、『キス・オブ・ザ・ドラゴン』観てきました。これはなかなかの快作。ジェット・リーのアクションも、『ロミオ・マスト・ダイ』みたいにコケオドシに走らず直球で痛快。あと表情に憂いが出てきて、悲愴感を漂わせつつ拳をふるう姿は、往年のブルース・リーもかくやと思わせるカッコ良さ。あの少林寺の茶坊主がここまで…と脳内がたそがれます。今後の活躍に大いに期待したいです。


リュック・ベッソン脚本だけあって、敵味方ともに景気よく人を殺しまくりですが、いくらアクション映画とは言えそこまでズバズバやるのはちとヤリスギでは…とちょっと思ったり。これ、普通に考えたら仏中戦争が勃発してもおかしくないよな…しかも良く考えたらこいつらどちらも警察だし。とは思いつつも、悪役は徹底的に悪く憎らしく、主人公は対照的に追い詰められて、忍耐の末に逆襲のジェノサイド、という構造は娯楽映画としては大正解。じーつーに痛快ッス。


細かいトコではケイトーことバート・クウォークがすっかりジジイになって出演しており、『ピンク・パンサー』もすっかり昔になりにけり、と感無量です。あとタイトルからして『キス・オブ・ザ・ドラゴン』だし、ポスターはブリジット・フォンダを抱きかかえるジェット・リー、ということで、ついにジェット・リーにもラブシーンが！と妙な心配に襲われましたが、フタを開けてみれば安定感のある童貞キャラっぷりだったので、次は頑張れよ！とつい要らぬ心配をしたり。


（2001年09月06日）