『奇人たちの晩餐会』というのを観てきました。
これがとても良く出来たコメディで、おフランス版三谷幸喜みたいな半密室劇。意地の悪い笑いやストレートにおかしい笑いがナイスな間で詰め込まれてます。そしてストーリー展開の妙とそこから生まれる笑い。最後はお約束のようにホロリとさせる場面で、まんまと目頭を熱くさせられて「チキショーこんなお約束で泣かされるなんて…」と妙に悔しかったりしました。
これ、もうハリウッドでのリメイクが決定してるそうです。ダスティン・ホフマン主演で。ハリウッドのこの手のリメイクものって、企画やアイディアのおいしいトコを労せずして使ってる癖に、オリジナルへのリスペクトがじぇんじぇん感じられないのが多くてヤですね。『ゴジラ』とか。『ミッション・インポッシブル』みたいなオリジナルのファン激怒必至のヤツもあったし、『ホーンティング』みたいな頭をかかえてしまうヤツもありましたね。
成功例が少ないのにリメイク物があとを断たないのは、やっぱセールスの面で安全牌だからなんでしょうねえ。斬新だけど当たり外れの分からない企画と、大ヒットはしないだろうけど確実に元は取れるであろう企画。金を出す方としてはそりゃリスクの少ない方を選ぶでしょう。だからドンドン過去の名作を引っぱり出してきてリメイクする。もしくは海外のヒット映画をあさって、めぼしいところの権利を買い漁る、と。
…なんだか、カニでも乱獲してるような話です。で、出来た映画は「マーケティングの結果」だかなんだかで、万人にウケるようにオリジナルの毒気が抜かれた当たり障りのないものになってたりしますから大いにトホホ。そういう映画にはリスペクトなんてマニアックな要素は邪魔モノでしかないんでしょう。
以前は「ゴジラがハリウッドでリメイク?凄い!」などと素直にありがたがってましたが、今じゃ「ハリウッドでルパン3世を映画化?うーん…」としょっぱい気持ちになってしまうわたくしでした。以上。
(2000年04月23日)